
9月24日から28日の5日間、フットサル日本女子代表は高円宮記念JFA夢フィールドでトレーニングキャンプを実施。26日と28日にはフットサルフィリピン女子代表とトレーニングマッチを行い、それぞれ5-1、11-2で勝利。FIFAフットサル女子ワールドカップの開催国を圧倒した。
5月のアジアカップは、直前の負傷により離脱。悔しさを胸に仲間に思いを託した。改めて呼ばれた今回の活動は、11月に開幕するワールドカップのメンバーに入るために、明確な“結果”を求められるなかで始まった。
実際に、26日、28日のフィリピン女子代表とのトレーニングマッチでは短い出場時間ながらもゴールを挙げるなど、持ち味を発揮した。
25日のトレーニング後、および28日のトレーニングマッチ後に話を聞いた。
取材=本田好伸、伊藤千梅
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フィニッシュまでやりきる
──改めてワールドカップに向けた代表合宿が始まりました。どんな思いで臨んでいますか?
W杯前の候補合宿としては最後になります。メンバー選考の場ですし、しっかりと自分の持ち味を出してチームにフィットできるように心がけています。
──新しいメンバーもいるなかでのトレーニングはどうですか?
全体的には、すごく緊張感がありながらもいい雰囲気でやれていると思います。個人的には持ち味を出しきれていないので、もう少し出さないといけないな、と。
──みなさんがそれぞれ、最後のアピールの場という思いで臨んでいると思います。仲間であり、ライバルという緊張感もありますか?
それはありつつも、須賀(雄大)さんが最初のミーティングで「競争相手は自分」という話をしてくれました。もちろん、今回の19人から14人になりますし、アジアカップを戦ったベースのメンバーはいます。
ただ、他の人どうこうではなく、自分にベクトルを向けるという、監督が伝えてくれたことを意識してやれていると思います。
──松木選手の持ち味をアピールしていく。具体的なテーマとしては?
ラインカットをベースにした攻撃なので、そのなかでも2人組やオフザボールでのフリーランニング、あとは3-1システムでのピヴォ当ての後の関わり方と、最後のフィニッシュワーク。これらは長所としてやっていきたいです。
──以前のインタビューでも、「まずはW杯メンバーに選ばれること」というお話がありました。まずこの場所に戻ってきたことも大きいと思います。
そうですね。ただ、やっぱりアジアカップを戦ってきたメンバーが感じていることもすごくたくさんあると思うので、私自身も、もっと基準を高くもってやらないといけないなとはすごく感じています。
──意識の違い?
強度感もそうですし、コンビネーションも含めて、一つずつのプレーの質は、アジアカップ直前のトレーニングや、去年の年末の活動の時よりも一段、磨きがかかっていることを体感しています。
──実際にここを意識してリーグ戦にも臨んできたと思います。その想定と、今回入ってみての実感としてギャップを感じることもある?
チームと代表ではかなり異なりますし、チームでやっていることをそのまま代表でやるわけではないので、その違いは感じています。あとは強度としても、代表は一段、二段と上がってくるので、そのギャップはありますね。
──松木選手には明確に結果が求められると思います。この合宿でもそうですし、残りのリーグ戦でもそうだと思います。その意識としては?
フィニッシュ局面で打ち切れていなかったり、自分のゴールではなくてもアシストするなど、フィニッシュワークに関わる回数を増やしていかないといけません。フィニッシュにつながる前の定位置攻撃でも、もう少し緩急をつけながらやっていく必要があるなと感じています。
リーグ戦でも、上位リーグを相手に得点を取れていないので、そこは自分でも大事にしています。ファイナルシーズンでは得点にこだわってやっていきます。
──強い相手であればあるほど、決めることへのハードルも高くなる。
公式記録を見ても、(強い相手には)シュート数が減ってきています。個の力で打開する部分もそうですし、周囲を使ってフィニッシュにいくところも含めて、最後までやりきれていないので、そこをやりきるしかないな、と。
──ちなみに、誰と同じ部屋ですか?
エグ(江口未珂)と同じ部屋です。
──どんな話を?
ふふ(笑)。エグは基本的に部屋にいるんですけど、これは言っていいのかな……ゲームをしています(笑)。なので、合間でちょこちょこ話をしたり。セットが違うこともあるのでそんなにフットサルの話はしていなくて。
どんな話? うーん、そんなに口数は多くないです。毎回、部屋割は違って、エグとは初めてですね。同じ所属チームにならないように割り振られています。
──江口選手とは仲が良い?
どうでしょう(笑)。エグは、人としておもしろいですね(笑)。
──一緒にゲームはしない?
やらないです。黙々と、一人で楽しそうにやっています(笑)。私はその間にケア部屋に行ったり、出かけたり、練習の映像を見たり、お互いにそんなに干渉しない感じかもしれないですね。
世界基準でもっと質を高める
26日、28日のフィリピン女子代表戦を終えて、2試合で3得点をマーク。試合後、追加で話を聞いた。
──2試合連続得点。ゴールは意識していましたか?
そうですね。とにかく得点に関わること、自分の持ち味を出すことにフォーカスしてやれたと思います。
──2試合を振り返っての自己評価は?
ボールを持って、優位に立った状態での試合でしたから、世界を相手にするともっと違う展開にはなると思います。そのなかでも、得点シーンなどはピヴォに対する関わりやオフザボールの動きなど、持ち味を出せたと思います。
ただ、もう一つ、全体的な質を高めないといけないなと感じた2試合でした。
──ボールを取られるシーンもなく、得点も決めた。それでもまだまだ質を求める。
やはり世界基準で考えた時に、サイズ感はフィリピンもそれなりにありますけど、それ以上にスピードがある相手になると思うので、そういったスピード感の中で技術を発揮することや、もう一つずば抜けた部分が必要だなと感じました。
他にも決められるシーンがありましたし、短い時間でも決めきることを大事にしないといけないと思っています。
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