
はじめまして。
NPO法人日本卓球療法協会理事長の長渕晃二と申します。
私は長年、介護・福祉やまちづくりに携わってきましたが、そのいずれにも卓球が活きることはたくさんありました。
そこで本連載「スポーツを活かした民間資格づくり」では、わたしのこれまでの経験などを交えながら、スポーツを活かして民間資格をつくることについて全5回にわたって探っていきます。
第2回では、「なぜ組織を作るのか?その方法は?」というテーマでお話しさせていただきます。
>>シニア世代からの卓球入門 第1回:卓球のおもしろさと連載のねらい
なぜ組織を作るか?その方法は?

社会的認知と継続性
NPO法人の話に絞れば、障害・疾患、活動方法ごとに様々な団体が存在します。
大小の企業・政党も含め、世は広報合戦の様相を呈しており、情報であふれかえっています。
そのため、各団体は複数の媒体を駆使して、常に広報ををする姿勢が必要になります。
実際に、1つのメディアに出ると、そこから派生して取り上げられることもあります。
私も、とある人の「ホームページはしっかり作っておく必要がある」という助言を聞いて、SEO対策や更新に力を入れたところ、無料の手作りだったころと比較にならないくらい効果は上がりました。
また、SNSの効果が高まっている現代においては、若い人を広報担当者として活用できると良いでしょう。
メディア、HP、SNSとも、内容によっては教材作成につながるので一石二鳥です。
多様な媒体によって知られていくことが、組織づくりや活動の継続性にもつながっていきます。
準備会と準備イベント
核となるメンバーをどう探し、賛同を得て準備会に参画していただくかは、かなり重要なポイントです。
まずは、資格づくりに関わる活動を続ける中で地道に人脈を作るとともに、同様の活動をしている人を探して理解を得ていきます。
特に、知識・人脈あるかたの賛同が得ていくことが重要で、卓球療法の場合は、医療・福祉の実践家・研究者、教育職、卓球の指導者、当事者(障害・疾患ある人)に参画いただいたことが貴重でした。
準備イベントは、広報、賛同者集め、財源づくりを目的として開催していきます。
会費やスポンサー
年会費の額は、低額だと長続きしやすく、会員拡大しやすい一方、相当の会員数にならないと事務局員は雇えず、会員サービスはあまりできません。
非営利団体ならそれでも良いと思います。
ビジネス的にやる場合は、社団法人や会社になるので、相応の会費額になるでしょう。
賛助会員、協賛企業などのスポンサーは、一口1万円からだと個人商店でも参加協力しやすくなります。
競合の激しい業界の企業の一社にスポンサーになっていただく(あるいはスポンサーがついている選手を前面に出す)と、他社の関係者が関わりにくくなるという問題が出てくるかもしれないので、バランスの考慮が必要な場合があります。
NPO法人化の方法
NPO法人設立は「時間はかかるが資金はかからず」と言われています。
かかる費用はせいぜい公印作成費くらいです。
定款など書類の作成は、ひな形があるので難しくはありません。
設立時はたいてい資金があまり無い訳ですが、行政書士に依頼せずとも作成できると思います。
都道府県か政令市への申請となるので、所管の部署が遠いと少し手間かもしれません。
理事の人数は、最低限の数プラス1人くらいにしておくと、理事会の開催や改選手続きが楽だと思います。
社員(会員)の規定も少人数になるようにしておけば、総会の手続きが楽です。
人を雇用する事業をやらないなら、会計書類は税理士でなくても作成できると思います。
筆者プロフィール:長渕晃二(ながぶちこうじ)

NPO法人日本卓球療法協会理事長。NPO法人日本ピンポンパーキンソン理事。明治学院大学大学院修了(社会福祉学修士)。短大・専門学校での教員・卓球顧問や福祉施設での卓球経験あり。現在有料老人ホーム、デイサービス、介護予防サロン、メンタルクリニックで卓球療法を行う。著書は『コミュニティワーカー実践物語』(筒井書房)、『卓球療法士テキスト』『卓球療法入門』(サイドウェイズ)ほか。
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