渋野日向子が一目惚れして即投入! 『Adizero ZG LO BOA』は100%のパフォーマンスが出せるゴルフシューズの“レーシングカー”

ゴルフシューズに求められる性能を高いレベルで備えながら、軽快な履き心地を実現した『Adizero ZG』シリーズ。写真手前が派生モデルで日本人の足にフィットする構造の『Adizero ZG LO BOA』

シューズ選びに慎重な渋野日向子が即スイッチ! 極上の履き心地に“一目惚れ”

アディダスは、2025年からゴルフシューズの新たなフラッグシップモデルとして『Adizero ZG』シリーズを発売している。

デビューモデルとしてアッパー内蔵型のBOAフィットシステムを搭載した『Adizero ZG』を春から発売し、多くのプロがスイッチ。歩行によって生じるストレスを軽減し、ホールアウトする瞬間まで全力のパフォーマンスを発揮できるようにサポートするゴルフシューズとして、人気を博している。
 
そして今、注目を集めているゴルフシューズが派生モデルとして8月に発売となった『Adizero ZG LO BOA』だ。

シューズのアッパー部分、つまり甲側の作りに変更を加えることで、甲高・幅広な大きめの足形にフィットする構造が採用されている。軽快に歩けて、力強くスイングできる性能はそのままに、より快適でストレスのない履き心地に惚れ込むゴルファーが続出しているのだ。
 
『Adizero ZG LO BOA』の履き心地に惚れ込み、即投入を決めたのが渋野日向子だ。渋野はかつて自分の足に合うシューズになかなか出合えず、指の痛みなどに悩まされた経験を持っている。それだけにシューズの変更には慎重なタイプなのだが、『Adizero ZG LO BOA』を試すと、足と一体化するようなフィット感に一目惚れ。当時はまだメーカーが『Adizero ZG LO BOA』のリリースを出す前だったのだが、渋野は試合で使いたいと願い出たという。

『Adizero ZG LO BOA』は履き口がソフトで、足への当たりが心地良いのに、しっかりフィットしてくれるところが気に入っています。シューズ選びには慎重で、モデルを簡単にスイッチするタイプではないですが、『Adizero ZG LO BOA』はスコットランドの試合ですぐに使用し始めました。2月に発売されたデビューモデルの『Adizero ZG』と同じくらい良いと思っていて、その日の自分のコンディションやコースの状況を見極めながら使い分けています。両方とも、しっかりとしたホールド感や頼もしいグリップ力があるので、多くのゴルファーの皆さんに環境や気分に合わせて、使い分けて欲しいなと思います」(渋野)
 
実際、渋野は米国女子ツアー「ISPSハンダ スコティッシュ女子オープン」を皮切りに『Adizero ZG LO BOA』の使用を続けている。過酷なツアーを戦う上で大きな武器の一つになっていることは間違いなさそうだ。

フットウェアスペシャリストを直撃! 『Adizero ZG LO BOA』はゴルフシューズの“レーシングカー”!?

渋野を始めとして、多くのゴルファーが『Adizero ZG LO BOA』に惚れ込む理由とは何なのか。アディダスゴルフのフットウェアスペシャリストの森悠馬氏に話を聞いた。

――『Adizero ZG LO BOA』の特徴について教えてください
 
アウトソールのグリップ力やミッドソールの作りなど、ゴルフシューズとしての基本的な性能はデビューモデルの『Adizero ZG』と共通しています。その中で違いを出したのはアッパー部分の構造です。『Adizero ZG』は足の甲にかかるシュータンをなくし、BOAラップを内蔵する新しい構造を採用していて、テーピングで固定するように足のブレを抑制することができます。一方、『Adizero ZG LO BOA』はシュータンを配置し、中央にボアを取り付けることで、より甲高・幅広な足にフィットしやすくなりました。また、アッパー部分を3層構造のレース生地にすることで柔らかく足に馴染んでくれます。

シュータンは柔らかく、クッション性の高い素材を使い、さらに角に丸みも付けていますので履いた時の食い込みや不快感はかなり軽減されています。またカカト部分がキャットタン仕様になっています。猫の舌はものを食べるときはスムーズに入り、一度中に入ると外には出づらい作りになっています。『Adizero ZG LO BOA』も履くときはスムーズに足入れができて、その後は脱げにくい構造になっているのです。生地を触ってみると方向によって抵抗感がかなり違うことが分かるはずです。

――デザイン的にも大きく変更されていますね
 
デビューモデルは今までにない革新的な構造のシューズでしたので、デザインにも個性を持たせました。一方で『Adizero ZG LO BOA』はカラーバリエーションを含め、正統派な仕上がりにこだわっています。シンプルかつクリーンで、さまざまなゴルフウエアに合わせやすいことが特徴となっています。
 
――改めて『Adizero ZG』というブランドについて教えてください。
 
ゴルフシューズでは、2013年に『Adizero』という名前のモデルが発売されています。10個のクリート(鋲)を搭載しながら片足で300グラムを切る軽量化に成功して話題となりました。新しい『Adizero ZG』も軽量という意味では同じですが、大きく異なるのは機能面です。過去の『Adizero』は余分なものをとにかく取り除いて軽量化したいわば“軽自動車”でした。軽くなる分、安定感、グリップ力などの機能がマイナスになっていた点は否定できません。一方、『Adizero ZG』いらないものを取り除いて軽量化しながら、必要なものは100%取り入れて性能を高めています。例えるなら、スピードを極めた“レーシングカー”。アスリートが100%のパフォーマンスを出すことのできる高性能な軽量シューズ『Adizero ZG』なのです。

『Adizero ZG』は2013年モデルに比べて、物理的には重くなっています。しかし、着用したゴルファーからは“実際の重量よりも軽く感じる”というコメントをいただきます。その秘密はシューズの重心設計にあります。シューズの場合、アウトソールの底に近い部分に重量があるほど、履いたときに重く感じます。そこで『Adizero ZG』では「LIGHTSTRIKE(ライトストライク)」という超軽量で高反発な素材をアウトソールに採用しました。シューズの底の重量を抑え、重心を高くすることで、軽快さのあるシューズに仕上がるのです。ゴルフクラブで言えば、手元を重く、ヘッドを軽くしたカウンターバランスの状態ですね。軽快な履き心地を追求しながら、性能を高められた最大の要因はこのシューズのカウンターバランス設計にあるのです。

――『Adizero ZG』はどちらもスパイクレスシューズですが、グリップ力に問題はありませんか?
 
『Adizero ZG』シリーズはそもそもハードヒッター向けのゴルフシューズで、強く速く振れる性能を第一に開発されています。元々はクリートを付ける形で設計していましたが、さまざまなパターンを研究する中で、スパイクレスにした方が、グリップ力はむしろ高まることが分かりました。『Adizero ZG』には「SPIKEMORE 2.0(スパイクモア)」という独自のアウトソールが搭載されていて、グリップ力の高さはトップクラスの仕上がりです。
 
「SPIKEMORE 2.0」では突起の形状や硬さを細かく調整し、グッと踏み込むとハの字に広がるようになっています。スイング時に強く踏み込むと中央にある鋭角な突起が飛び出す仕組みで、地面にしっかり刺さって高いグリップ力を発揮します。一方で、歩行時には中に収納された状態になりますので、突き上げ感のない快適な履き心地が得られるのです。クリートを付けたシューズはどうしてもネジの部分に重さが集中し、突き上げ感が出てしまいます。スパイクレスだからこそ、快適な履き心地と高いグリップ力を両立できたのです。

足裏の中足部からツマ先にかけて配置した「DYNAMIC TORSION PLATE」も性能アップに大きく貢献しています。足裏のアーチをサポートすると共に、ツマ先を踏み込んでシューズが屈曲した際に力強く戻る力が働き、歩くときの推進力を生み出します。これはランニングシューズのテクノロジーを応用したものです。『Adizero ZG』を履いて歩くと、まるで下り坂を走るような感覚で、足がスムーズに動いてくれます。ゴルフでは1ラウンドで1万から1万5000歩ほど歩きますから、軽快で推進力のあるシューズを履くことで、足の疲労を大きく軽減することができるのです。

カウンターバランス設計で軽快な履き心地を実現し、反発力の高さで歩行をサポート。ラウンドで足にかかる負荷を軽減しながら、スイング時には強力なグリップ力を発揮して、力強く振り切ることができる。まさにF1を走るレーシングカーのように細部まで研ぎ澄まされたゴルフシューズが『Adizero ZG』シリーズなのだ。

ゴルフライターが2モデルを履き比べ! 『Adizero ZG LO BOA』は足を守ってくれる安心感がある

細部にこだわって作られた『Adizero ZG』シリーズだが、ゴルフ場で履くと、一体どんな性能を発揮し、モデルによってどんな違いがあるのか。取材を担当した筆者が実際にコースで履き比べて、性能をチェックしてみた。

今回は、『Adizero ZG』『Adizero ZG LO BOA』を同サイズ(27.5センチ)でお借りして、テストを実施しました。関連アイテムとして発売されている『Adizero 機能ソックス』を着用した上で、履き心地の違いをチェックしています。

まずはデビューモデルの『Adizero ZG』を履いてみました。
 
アッパー部分が足の甲にピタッとくっつくようにフィットして、一体感が非常に強くなっています。全くズレることがないので、アッパー部分がまるで足の一部になったような感覚でした。素足のような感覚があり、ストレスフリーな履き心地です。
 
一方で、足裏のアウトソールに関しては、クッション性とグリップ力の高さが感じられました。着地したときの衝撃が少なく、スイスイと足が動いてくれて、軽快に歩くことができます。傾斜の強い場所でも全く滑りませんし、シューズ内で足がズレないので安心感があります。足入れするときには少しコツがいりますが、柔らかい素材が使われていることもあって、慣れるとスムーズに脱着することができます。
 
この甲側は素足感覚で、足裏は安定感のあるアウトソールがある履き心地は今までにない感触で、正直かなり気に入りました。多くのツアープロがすぐにスイッチしたのも納得です。一度使い出すとクセになる心地良さがありました。

続いて、派生モデルの『Adizero ZG LO BOA』を試しました。
 
デビューモデルと違い、履き口に適度な剛性感があるので、足がスムーズに入っていきます。靴ベラがなくても簡単に脱着できて、とても楽ですね。シュータンに付けられたダイヤルを回すと足の甲全体に圧がかかる感じでしっかりとホールドしてくれます。

『Adizero ZG』は柔らかい生地が足の甲全体にくっつき、素足に近い感覚で履けるシューズでしたが、対照的に『Adizero ZG LO BOA』はアッパー部分の生地に適度な剛性感があり、足全体を守ってくれるような頼もしさがあります。それでいて足にあたる部分はサラッとしていて柔らかいので、とても快適な履き心地です。伝統的なゴルフシューズのしっかり感がありながら、『Adizero ZG』らしい快適性がプラスされたシューズと言えそうです。

アウトソールのグリップ力も非常に強く、傾斜を歩いても全く滑ることはありませんでした。シューズが滑ると足を怪我するリスクが高くなりますし、私自身、取材でコースを歩く機会も多いので、これだけ高いグリップ力が備わっているとすごく安心感があります。
 
そして、スイング時の刺さり具合もかなりのものでした。私はドライバーなどを振ると、地面に跡が付くくらい足を使うタイプなのですが、『Adizero ZG LO BOA』は強く地面をつかんでくれるので思い切ってスイングすることができます。足元が安定すれば上体の余分な力みが取れますし、よりスイングスピードを出すことも可能になります。実際に着用してみるとシューズの“レーシングカー”と話していた意味がよく分かります。

驚きだったのは、『Adizero ZG LO BOA』のアッパー部分の生地の耐久性です。今回のテストでは、反発力を試すために意図的に強く中足部が屈曲するように踏んだりしたのですが、アッパー部分に付くしわの量がとても少なくなっていました。モノによっては1ラウンドしただけでしわだらけになることもありますが、『Adizero ZG LO BOA』は防水性も備わっていますし、キレイな見た目を長い期間保ちやすいシューズになっています。

『Adizero ZG』シリーズの2モデルをコースで試してみて、多くのゴルファーが惚れ込む理由がよく分かりました。
 
『Adizero ZG』は素足感覚で気持ち良くスイングできる今までにないフィーリングをもたらしてくれますし、『Adizero ZG LO BOA』は足をホールドしてくれる安心感があります。どちらもグリップ力やクッション性、歩行時の推進力の高さなど、あらゆる性能がハイレベルなものに仕上がっていますので、履き心地さえ合えば最高のゴルフシューズを得ることができます。
 
また、プレーするコースに合わせて履き分けるのも良いかもしれません。地面が硬く締まっているコースであればアッパー部分の剛性感がある『Adizero ZG LO BOA』の方がスイングしやすいですし、アップダウンの激しいコースであれば、より足の形にフィットする『Adizero ZG』を使うのがおすすめです。渋野プロのように日によってシューズを使い分けるのは非常に合理的です。
 
ゴルフシューズは、1日中着用し、コース内の移動やスイングに大きく影響する重要なギアです。快適に履けて疲れにくく、パフォーマンスが出せるモデルを履くことは、スコアアップにも大きく影響しています。今より上達したい、もっとスコアを良くしたいと考えるゴルファーにはぜひ『Adizero ZG』シリーズを試してみてほしいですね。