日本勢好発進もまさかの競技不成立に嘆き… 岩井姉妹の前向きな言葉も「経験できているのはうれしい」

岩井明愛は前向きに大会を振り返った(写真は初日)(撮影:GettyImages)

<ウォルマートNWアーカンソー選手権 最終日◇21日◇ピナクルCC(アーカンソー州)◇6438ヤード・パー71>

米国女子ツアーの3日間大会は、悪天候により完走できず、競技不成立となった。

2日目は雷雲を伴う雨でわずか46分しかプレーが行われず、第2ラウンドはサスペンデッドに。きょう21日の再開を目指したが、夜間に降った3.25インチ(83ミリ)の雨の影響でコースのいたるところに“川”が出現し、コースコンディション不良となった。再開できず。順延も難しいと判断され、競技不成立の決定が下された。大会としては2007年の第1回大会以来、2度目の“キャンセル”となった。

8アンダー・首位発進を決めていた勝みなみは、「しょうがない。雨の状況を見たときに、“もしかしたら”という心の準備はできていた」と話した。昨夜は「すごく怖くて目が覚めた」と、雷鳴で安心して眠りにつくことができなかったという。

「しかたないなと。大会側がきちんと話し合って決めたことだと思うので、切り替えて、次から頑張りたい。8アンダーを出せたのは自信になった。ハワイもあるし、アジアもある。いい状態で臨めると思うので、楽しんでやりたい」。悔しさをにじませながらも、次戦を見据えた。

2018年、21年大会を制し、1打差3位発進だった畑岡奈紗も「本当に残念です。こういう形になるのは(米ツアーで)9年やっていて初めて」と苦笑いを浮かべた。そして「コース管理の人も最後まで頑張っていただいたので、安全を考えるとしょうがないのかなと思います」とおもんばかった。

ツアールーキーの岩井明愛、岩井千怜の姉妹も残念がった。千怜は首位と3打差の18位で滑り出していた。「1日あったら優勝できる位置にいたので…。でもしょうがない」と、まさかの事態を受け止めた。

その一方で、「海外はいろんなことがありますね。経験できているのはうれしい。ここにいられることがすごく幸せだなと思います」(明愛)とも話す。クラブハウスで提供される美味しいご飯など、大会のホスピタリティにも感謝。プロアマでは千怜がジュニアと同組でプレーし、初日はその家族が応援にも駆けつけてくれた。「楽しかったです。もっと回りたかった」といううれしい思い出もある。

米国女子ツアーは1週間のオープンウィーク。次戦はハワイでの「ロッテ選手権」(10月1日開幕)で、そこからは日米共催「TOTOジャパンクラシック」を含めたアジア4試合が続く。今シーズンも残りわずか。まずは1年間をしっかり完走する。