
<ANAオープン 最終日◇21日◇札幌ゴルフ倶楽部 輪厚コース(北海道)◇7066ヤード・パー72>
今季「日本プロゴルフ選手権」でツアー初優勝を挙げた平均飛距離300ヤード越えの26歳、清水大成。強風のなか、初日は異次元の「65」をマークして、2位に2打差の単独首位で飛び出したが、2日目に「75」で失速。26位まで下がった順位は決勝の2日間で5位タイまで押し上げて、優勝以来10戦ぶりのトップ10入りを果たした。
首位と7打差の12位タイから出た最終日は前半だけで4つスコア伸ばすと、伸び悩む上位陣と2打差に迫る。「前半ちょっと見えていたんですけどね」と逆転Vも視野に入ったが、後半「伸ばせると思ったんですけどちょっとリズムが合わなくて、難しかった」と1バーディ、1ボギーに止まった。
悔やまれるのは2日目。「初日は良かったんですけど、2日目は明らかに音がおかしくなって」と優勝した時にも使用した思い出のドライバーにトラブルが発生。「見た目はあまり分からないのですが、ミススイングではないのに大きく曲がったり、飛んでいなかったり…。僕が悪いのかもしれませんが、音は完全に変わっていました」とあきらかな違和感があった。
初日のフェアウィキープ率は78.571%が2日目には14.286%と急降下。フェース面にヒビが入るなどの不具合の可能性を疑い、3日目からはバックアップのドライバーを投入してスコアも順位も戻せた。「ドライバーはしょうがないっすね。年に1回か2回はあるので」と毎年、フェース面にヒビが入るなどの不具合はあるという。
ヘッドスピード50m/s超えでミート率の高いプロは同じところに何度も打つ。一般のアマチュアではほぼないことだが、国内有数の飛ばし屋は、フェースにヒビが入るなどの不具合は付き物。清水も同様で何年も向き合っている。
米進出を目指す清水は、この秋に頑張りたい理由がある。1つは「バンテリン東海クラシック」終了時点で賞金ランキング7位以内に入って日本で開催される米ツアー「ベイカレントクラシック」の出場権を獲得すること。もう1つは来季の出場権をかけた米ツアー予選会。「ダンロップフェニックス」終了時点の同ランキング1位は最終から、2位から5位までは2次予選から受験できる。
「2日目のトラブル以外はゴルフの状態はいい。まだチャンスはあるのでがんばりたい」。今大会前は11位だったランクは9位に浮上。残り2戦でまずは7位以内を目指す。(文・小高拓)
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