「欧州サッカー」夏の的確補強で調子を上げたクラブと大補強も結果を残せていないクラブ

ミケル・メリーノ、マルティン・スビメンディ(写真:ロイター/アフロ)

ミケル・メリーノ、マルティン・スビメンディ(写真:ロイター/アフロ)
欧州各国のリーグ戦やCLなどもスタートしているが、すでに今夏の補強が好影響をもたらしているクラブとそうでないクラブの差が出始めている。

プレミアリーグやラ・リーガではその差が顕著に表れている。

アーセナルやトッテナム、チェルシーが補強成功で戦力UP

プレミアリーグの昨季王者リバプールは、ディアスやアーノルド、ヌニョスが去った一方でヴィルツやフリンポン、エキティケらを獲得し、今季も優勝候補筆頭となっている。

第5節を終えて5連勝と独走状態に入っていることからも、優勝候補本命だといえるだろう。

しかし、アーセナルやトッテナム、チェルシーも補強に成功しており、優勝を狙える実力がある。

アーセナルはアンカーのスビメンディとCFのギェケレシュ獲得が非常に大きく、さらにはマドゥエケやエゼといった実力者も獲得していることから、年間通して戦力を落とさずに戦っていけるだろう。

すでにリバプールに5ポイント差を付けられているが、まだまだ巻き返しは可能だ。

トッテナムもソン・フンミンは去ったもののクドゥスやコロ・ムアニ、シャビ・シモンズを獲得しており、アーセナルと勝ち点差で並び3位につけている。

チェルシーに関してもスタートダッシュはできなかったがジョアン・ペドロやガルナチョを獲得しており、前線の破壊力は昨季以上となっている。

アトレティコとソシエダが最悪のシーズンスタート

ラ・リーガではレアル・マドリードやバルセロナが例年通りの強さを発揮している一方で、補強が上手くいかずにスタートダッシュに失敗したクラブも存在する。

2年間で3億4000万ユーロ(約590億円)以上を費やしチームを強化したアトレティコ・マドリードだが、今夏の補強も今のところ成功とはいえない状況だ。

9月21日に行われたラ・リーガ第5節のマジョルカ戦にも引き分け、1勝3分1敗の12位に沈んでいる。

本気でタイトルを目指すシーズンであるだけに、ファンは大きく落胆している。

同じくラ・リーガで下位に沈んでいるのが、日本代表MF久保建英が所属するレアル・ソシエダだ。

補強の必要性を訴えた久保の願いが通じたのか、クラブはベネズエラ代表MFヤンヘル・エレーラと元スペイン代表MFカルロス・ソレールを獲得した。

しかし、前者はまだ怪我から復帰できておらず、後者は完全にチームにフィットしていないためスビメンディが抜けた穴を埋められていない。

順位も降格圏である18位に沈んでいる。

シーズンは始まったばかりであり、各クラブの監督の手腕によっては改善に成功し順位を上げていくことも可能となる。

果たして各チームどのようにしてチーム力を高めていくのか、今後の展開に注目だ。