
<バレーボール男子世界選手権2025 日程:9月12日(金)~28日(日) 場所:フィリピン・マニラ>
9月12日から28日にかけて、バレーボール男子世界選手権2025が開催されている。
石川祐希や髙橋藍をはじめとする世界トップレベルで戦うスター選手に加え、急成長を遂げた新戦力も揃い、まさに「史上最強」と呼ぶにふさわしい布陣が整った。
本記事では、そんな期待を背負う日本代表選手を一挙に紹介し、その歩みや注目ポイントを解説する。
小野寺太志


写真:小野寺太志/提供:YUTAKA/アフロスポーツ
背番号:2
身長:202cm
ポジション:ミドルブロッカー
所属:サントリーサンバーズ大阪
1996年2月27日生まれ。宮城県名取市出身。身長202cmの恵まれた体格を生かしたブロック力と速攻での得点力を兼ね備えた選手である。
中学3年までは野球部に所属していたが、東北高校進学を機にバレーボールへ転向し、全国大会を経験。その後、東海大学に進学し、在学中には東京五輪を見据えた強化指定選手「Team CORE」にも選出された。2015年に日本代表に初招集され、2017年に公式戦でデビュー。以降は代表の中心メンバーとして国際大会で活躍してきた。
社会人ではJTサンダーズ広島に入団し、Vリーグでベスト6やブロック賞など数々の個人賞を獲得。2023年にはサントリーサンバーズ大阪に移籍し、国内トップリーグで主力の一人としてプレーしている。
冷静な判断力と高い守備力を武器に、日本代表の守備の要でありながら、攻撃面でも多彩なプレーで貢献する存在として今後も注目されている。
宮浦健人
背番号:4
身長:190cm
ポジション:オポジット
所属:ウルフドッグス名古屋
1999年2月22日生まれ。熊本県荒尾市出身。190cm・86kgと優れた体格に加え、指高248cm、スパイク到達点およそ350cmを誇る。
8歳からバレーボールを始め、鎮西中高を経て早稲田大学へ進学。高校時代には2017年のアジアユース選手権でキャプテンを務めチームを優勝に導いたほか、世界ユース選手権でも銅メダルを獲得。大学では全日本インカレで4連覇を達成した。
大学卒業後は2020-21シーズンにジェイテクトSTINGSに加入し、2022-23シーズンにはポーランドのPSGスタル・ニサで海外挑戦。翌2023-24シーズンにはフランスのパリ・バレーへ移籍した。パリ・バレーでは主力オポジットとして活躍し、その実績をもって日本代表の座を確かなものとした。
2025年には国内に戻り、ウルフドッグス名古屋に所属。日本代表でもネーションズリーグや世界バレーなどの国際大会に出場し、勝負どころでの得点力とサーブでの攻撃面の存在感を増している。
大塚達宣


写真:大塚達宣/提供:YUTAKA/アフロスポーツ
背番号:5
身長:195cm
ポジション:アウトサイドヒッター
所属:パワーバレー・ミラノ(イタリア)
2000年11月5日生まれ。大阪府枚方市出身。小学3年生でバレーボールを始め、地元クラブ「パンサーズジュニア」に加入。高校は京都・洛南高校へ進むと徐々に頭角を現し、インターハイで優勝・準優勝を経験した。
早稲田大学に進学後も攻守にわたり安定感を見せ、大学在学中に日本代表に選出。東京オリンピックやネーションズリーグ、世界選手権にも出場した。
大学卒業後はパナソニックパンサーズ(現・大阪ブルテオン)に加入。Vリーグでは新人賞の受賞やベスト6選出など輝かしい成績を残し、チームの天皇杯優勝やリーグ戦での好成績にも貢献した。2024年8月末にはセリエAの名門クラブであるパワーバレー・ミラノへ移籍した。
日本代表では背番号5を背負い、鋭いスパイクとレシーブ力を兼ね備えた万能型のアウトサイドヒッターとして、これからの日本バレーボールを牽引する存在として期待されている。
大宅真樹
背番号:9
身長:177cm
ポジション:セッター
所属:日本製鉄堺ブレイザーズ
1995年4月23日生まれ。長崎県佐世保市出身。姉の影響で小学1年生の頃からバレーボールを始め、大村工業高校2年時に世代別代表に選ばれるなど、頭角を現す。東亜大学進学後は、U-21、U-23の日本代表でも活躍。特に2017年アジアU-23選手権では「ベストセッター」に選出されており、若い頃からセッターとして高い評価を得ていた。
2018年にサントリーサンバーズ大阪に入団し、同年に日本代表登録メンバーに初選出される。2020-21シーズンにはキャプテン就任すると、正確なトスワークとジャンプサーブを武器にチームをリーグ優勝へ導き、自身はMVP、ベスト6など数々の賞を受賞した。2025年シーズンには日本製鉄堺ブレイザーズへ移籍し、更なるチャレンジを続けている。
身長では177-178cmと、セッターとしては標準~やや低めの部類だが、技術力と精神力、ゲームの流れをつくるリーダーシップでそのハンディキャップを十分補っており、日本代表における屋台骨の一人と言える存在である。
髙橋藍


写真:髙橋藍/提供:YUTAKA/アフロスポーツ
背番号:12
身長:188cm
ポジション:アウトサイドヒッター
所属:サントリーサンバーズ大阪
2001年9月2日生まれ。京都府京都市出身。小学2年生のときに2つ年上の兄・髙橋塁がいる小学生チームに入り、バレーボールを始めた。高校は京都・東山高校に進学し、2020年の春高バレーで優勝するなど全国の舞台で結果を残したことで脚光を浴びた。同年、日本代表登録メンバーに初選出された。
その後、日本体育大学へ進学し、大学2年生の頃から国際舞台での活躍が始まる。2021年には若くして日本代表に本格的に選出され、19歳の若さで東京オリンピック出場を果たした。
クラブレベルではセリエAに挑戦しており、パッラヴォーロ・パドヴァで2021-22シーズンからプレーを始め、その後モンツァへ移籍。2024年にはサントリーサンバーズ大阪に加入した。
スパイク到達点約343cm、ブロック時のリーチは約315cmと、跳躍力や身体能力も優れており、攻守両面で躍動できるオールラウンダーとして知られる。若手ながら国際大会での緊張感ある場面でも冷静にプレーできるメンタルの強さも高評価されており、今後の日本バレーボールを牽引する存在として期待されている。
小川智大
背番号:13
身長:176cm
ポジション:リベロ
所属:サントリーサンバーズ大阪
1996年7月4日生まれ。神奈川県横浜市出身。小学校3年生から姉の影響でバレーボールを始め、高校は橘高校へ進学。大学は明治大学でプレーし、在学中から世代別代表にも選ばれ、ユニバーシアード代表などで国際経験を積んできた。
プロとしてはウルフドッグス名古屋での活躍が続き、Vリーグでは複数シーズンにわたりベストリベロ賞やサーブレシーブ賞を受賞。2024年にはジェイテクトSTINGS愛知への移籍が発表され、日本代表では2021年からネーションズリーグなど国際大会に出場。2025年より、サントリーサンバーズ大阪に加入した。
身長約176cmとリベロとしては平均的な体格ながら、レセプションやサーブレシーブの技術に優れ、サーブレシーブ成功率で日本記録を更新するなど守備力の高さが特徴である。
石川祐希 ※キャプテン


写真:石川祐希/提供:YUTAKA/アフロスポーツ
背番号:14
身長:192cm
ポジション:アウトサイドヒッター
所属:シル・スーサ・ヴィム・ペルージャ(イタリア)
1995年12月11日生まれ。愛知県岡崎市出身。小学生の頃、姉の影響でバレーボールを始め、中学・高校では星城高校に進学。高校2年・3年時には公式戦で6冠を達成するなど圧倒的な実績を残した。
中央大学在学中に全日本代表入りを果たし、2014年には「Team CORE」の指定選手として強化の中心となる。シニア代表としては同年のアジア大会に出場し代表デビューを果たす。
プロキャリアはイタリアリーグへの留学から本格化し、モデナ、ラティーナ、シエナ、パドヴァ、ミラノといったセリアAの強豪クラブでプレー。現在はペルージャ所属であり、海外での経験を重ねながら世界の強打者と伍している。
プレースタイルでは強烈なスパイク、緻密なレシーブ、サーブや守備でも安定感があり、攻守両面の技術が非常に高い。さらにメンタルの強さ、勝負どころでの集中力が光り、ネーションズリーグやアジア選手権など国際大会での多数のMVP・ベストアウトサイドヒッター受賞歴が彼の信頼と実力を物語っている。
甲斐優斗
背番号:15
身長:200cm
ポジション:アウトサイドヒッター
所属:専修大4年
2003年9月25日生まれ。宮崎県延岡市出身。日南振徳高校で頭角を現し、春高バレー初出場ながら全国3位の成績を収めたのち、専修大学に進学した。
大学在学中には2022年に日本代表に初選出され、ネーションズリーグやワールドカップ、オリンピック予選など国際大会にも参加。2024年には日本代表の一員としてネーションズリーグで準優勝を経験し、パリオリンピックにも出場を果たした。
クラブでは2024年シーズンにフランスリーグのパリ・バレーでプレーし、翌年には大阪ブルテオンへ移籍。
身長200cmと高身長で、スパイク到達点は約350cm、ブロックジャンプは330cmを誇り、その身体能力を活かした打点の高さが大きな武器となっている。
西本圭吾
背番号:17
身長:189cm
ポジション:ミドルブロッカー
所属:広島サンダーズ
1998年10月27日生まれ。広島県尾道市出身。尾道高校でバレーボールを始め、高校2年時には広島県代表の合宿に呼ばれるなど早期から注目を浴びた。
福山平成大学に進んでからの活躍も目覚ましく、2018年の全日本インカレでは準優勝を経験、その後「V.LEAGUE DIVISION1」の東レアローズに内定し、2021年に正式加入。リーグデビューも果たし、登場からブロックでの存在感を示してきた。
身長189cm、最高到達点355cmの跳躍力と指高251cmを活かし、ブロック決定率などで強みを発揮。2024-25シーズンにはトップブロッカー賞およびベストミドルブロッカー賞を受賞し、さらに2025年には広島サンダーズへの移籍が発表された。
日本代表入りは2024年からで、ネーションズリーグなど国際戦にも出場している。
西山大翔
背番号:18
身長:193cm
ポジション:オポジット
所属:大阪ブルテオン
2003年3月4日生まれ。神奈川県南足柄市出身。高校は東海大学付属相模高校で、春高バレーへの出場を含め高校時代から得点力を発揮してきた。
大学は東海大学に進学したが、環境との不一致を理由にわずか半年で退部・中退し、一時バレーボールから離れる時期を経験。しかし、その後パナソニックパンサーズ(現・大阪ブルテオン)からのオファーを受けてキャリアを再スタートさせる。
2022年にV.LEAGUE参加を果たし、同年8月にはU-20日本代表としてアジアU-20選手権に出場した。2023年にはシニア日本代表登録メンバーにも選出され、ネーションズリーグなど国際舞台での起用も始まってきた。
身長193cm、最高到達点350cm、ブロックジャンプ330cmとフィジカルも申し分なく、右利きの力強いスパイクが武器である。
山本智大


写真:山本智大/提供:YUTAKA/アフロスポーツ
背番号:20
身長:171cm
ポジション:リベロ
所属:大阪ブルテオン
1994年11月5日生まれ。北海道江別市出身。小学1年の頃からバレーボールを始め、恵庭中学校を経て酪農学園大学附属とわの森三愛高等学校、さらには日本体育大学で技術と経験を磨いた。リベロに転向したのは中学3年の終わりで身長などからそれがベストなポジションと判断し、その後は守備職人としてキャリアを築いてきた。
プロとしては2017-18シーズンにFC東京でデビューした後、2018年に日本製鉄堺ブレイザーズへ移籍しレギュラーに定着。2023年にはパナソニックパンサーズ(現・大阪ブルテオン)へ移籍した。
日本代表としては2019年から数々の国際大会に出場し、東京2020五輪やパリ2024五輪にも出場。2023-24シーズンのVリーグで初めて「ベストリベロ賞」を獲得し、2024年のネーションズリーグでも同賞に選出されるなど、守備職人として国内外から高く評価されている。
171cmとリベロとしては身長が小柄ながら、鋭い反応速度と卓越したポジショニング、そしてプレッシャーのかかる局面でも動じない冷静さが彼の大きな強みである。
永露元稀
背番号:21
身長:192cm
ポジション:セッター
所属:広島サンダーズ
1996年6月8日生まれ。福岡県春日市出身。アウトサイドヒッターとしてのプレー歴を経て、大学進学後にセッターへ転向。
東福岡高校時代には全国大会で活躍し、インターハイや春高で優勝を経験した。東海大学へ進み、大学1年時にU-21およびU-23日本代表に選出され、長身を活かした高い位置からのトスやブロックで注目を集めるようになる。
学卒業後、豊田合成トレフェルサ(現・ウルフドッグス名古屋)へ加入し、プロとしてのキャリアをスタート。ウルフドッグス名古屋在籍中は天皇杯優勝やVリーグでの好成績に貢献した。2024-25シーズンは大阪ブルテオンに移籍し、セッターとしてレギュラーを務め、試合を牽引する存在となっていた。
特徴としては、高さのあるトスワーク、ゲームメイク能力、冷静さ、ブロックやディグといった守備面での安定感が挙げられる。所属チームを変えてもその能力はチーム内で評価され続けており、日本代表でも司令塔として期待されている。
エバデダン・ラリー


写真:エバデダン・ラリー/提供:YUTAKA/アフロスポーツ
背番号:23
身長:195cm
ポジション:ミドルブロッカー
所属:大阪ブルテオン
2000年8月18日生まれ。岐阜県海津市出身。父はナイジェリア人、母は日本人というバックグラウンドを持ち、兄の影響でバレーを始めた。
高校は松本国際高校に進み、春高バレーやインターハイなど全国大会での経験を積み、筑波大学在学中にその実力をさらに磨いた。大学3年の時点でパナソニックパンサーズ(現・大阪ブルテオン)への加入とプロ入りが決定し、Vリーグ公式戦での途中出場デビューを果たす。
その後スタメン定着も果たし、2022年には日本代表登録。AVCカップでは全試合スタメン出場で準優勝に貢献した。
特徴としてはクイックなど速攻の攻撃力が高く、ブロッキングでも読みと反応の良さを活かして守備の要になれること。若手ながら国際大会経験を積み、攻守両面での安定感を備えており、これからの日本代表チームを牽引する存在として期待されている。
佐藤駿一郎
背番号:32
身長:205cm
ポジション:ミドルブロッカー
所属:ウルフドッグス名古屋
2000年5月17日生まれ。宮城県仙台市出身。東北高校在学中には、U-19、U-21と世代別代表に選ばれ、2017年アジアユース男子U-19選手権大会では「ベストミドルブロッカー」に選出された。
東海大学に進学してからもその才能は注目されており、現在はウルフドッグス名古屋に所属し、プロとしての経験を積んでいる。
日本代表としてはネーションズリーグなどで先発出場し、キレのあるクイック攻撃などでチームに得点源として貢献する場面が増えてきている。
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