
◆◆人工芝
スポーツのピッチで人工芝の存在感は年々高まっている。天然芝に代わるものとして、学校の運動場やサッカースタジアム、テニスコートなど、さまざまな競技で導入されている。
人工芝の最大の利点は、「耐久性」と「メンテナンス性」だ。天然芝は天候や使用頻度によって傷みやすく、維持や管理に大きなコストと労力がかかる。
一方、人工芝は年間を通じて安定したコンディションを保ちやすい。サッカーでは天然芝が育ちにくい寒冷地のスタジアムなどで、人工芝は一般化してきている。また、その耐久性の面から日本でもJリーグのアカデミー施設や、スポーツに力を入れる私立学校のグラウンドなど人工芝を積極的に取り入れている傾向がある。
天候に強いということは、スケジュールどおりに試合や練習を行いやすいわけで、公共施設など多くの利用者がいる所もますます重宝されている印象だ。また、土のグラウンドとの比較でみれば「汚れない」というのも大きな利点だろう。
そして、人工芝は着実に進化している。近年では、技術開発でクッション性や反発力などが格段に改良されている。さらに、環境負荷を抑えたリサイクル素材や、天然芝との“ハイブリッド型”といったものも登場し始めた。
一時期、人工芝ピッチでのボールの独特なバウンドやスピードに、天然芝との違いを指摘する声が多かった。それに天然芝に対しクッション性が低く下が硬かったため、体への影響を懸念する選手も多くいた。
それでも最近ではあまりこの手の意見が聞かれなくなっている。改良のおかげもあるし、スポーツの現場が人工芝へ慣れたこともあるのではないか。
むしろ、これだけ人工芝のピッチが増えてくると、こちらのほうの感覚が「当たり前」になる時代がくるのかもしれない。
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