クラブW杯でより色濃くなった「アンタッチャブル不要論」 シャビ・アロンソはレアルをどう変えるべきなのか

ヴィニシウス,サッカー

写真:ヴィニシウス(AP/アフロ)
シャビ・アロンソが新監督に就任したレアル・マドリードだが、早くも苦境に立たされている。

一昔前までは、「守備をしなくていいのはメッシとC・ロナウドだけ」といった声が多かったサッカー界だが、現在はもしも両選手が全盛期だったとしても一定以上のプレスを行わなければチームタイトルが獲れない時代だといえるだろう。

それほど戦術面において前線からのプレスは重要であり、守備をしない「アンタッチャブルな存在」は不要となっている。

レアル・マドリードにはエムバペとヴィニシウスという2人のアンタッチャブルがおり、まさに「時代に取り残されたチーム」と化している。

解決方法は「2人の意識を変える」「どちらかをベンチに置く」の2択

レアル・マドリードはラ・リーガとコパ・デル・レイでバルセロナに屈し、CLでは準々決勝でアーセナルに敗れた。

クラブW杯でもパリ・サンジェルマンに完敗したため、欧州サッカーの盟主として君臨するレアルは無冠に終わったわけだ。

そんなレアルをクラブW杯で破ったパリ・サンジェルマンにも、以前は「守備をしない選手」が存在した。

フランス代表FWのウスマン・デンベレだ。

しかし、彼はレアル戦で再三GKのクルトワにプレスをかけるなど、以前とは別人のように現代サッカーに適した選手へと成長していた。

デンベレの守備意識の向上は、パリ・サンジェルマンがCLを制した大きな要因の1つであることは間違いないだろう。

敗れたレアルは、相変わらずエムバペとヴィニシウスがプレスをかけず守備時の大半で歩いていた。

パリ・サンジェルマンのDFやボランチは、対戦相手に2人もプレスをしてこないFWがいるためビルドアップが楽だったことだろう。

シャビ・アロンソ監督は、「走らない選手は使わない」と断言しているが、現状はその言葉通りには遂行できていない。

両選手ともクラブの顔であることから外すのが難しいことは誰もが理解しているが、このままでは来季も無冠で終わる可能性が高いことも確かだ。

選択肢としては、「2人の意識を変える」、「どちらかを切るか」の2つだろう。

デンベレの変化やサッカー界の流れ、結果が出せていない現状、ファンの意見などを考慮すれば、一定以上のプレスをかけられる選手に変化しなければならないわけだが、それを両選手が気付き実践しなければならない。

もしくはシャビ・アロンソ監督がヴィニシウスかエムバペのどちらかをベンチに置く方法を実践するかだろう。(選手の格を考えればヴィニシウスが濃厚か)

果たしてレアルは時代に取り残されたまま新シーズンを迎えることになるのか。

それともシャビ・アロンソが解決策を見出し時代に合ったクラブへと変貌させるのか。

その手腕に注目だ。