
久保建英(写真:なかしまだいすけ/アフロ)
今夏移籍濃厚とみられていた日本代表MF久保建英(レアル・ソシエダ)だが、6000万ユーロ(約100億円)に設定された契約違約金や半額が前所属のレアル・マドリードに入る条項により正式オファーを出すビッグクラブがない状況が続いている。
ドイツの大手代理人事務所である「Sports360」と契約したことでバイエルン・ミュンヘンへの移籍が実現するのではないかと噂されたが、これも交渉は進んでいない。
果たして久保は本当に移籍なしでソシエダに残留することになるのか。
久保は7月21日~25日にジャパンツアーに参加予定となっているが、その後の移籍はありえないのだろうか。
久保を本気で欲しがるビッグクラブはほぼない状況だが
もしも久保の契約解除金が3000万ユーロ(約50億円)に設定されていて、半額がレアル・マドリードに入る条項が含まれていなかったとしたならば、間違いなく今夏久保はラ・リーガもしくはプレミアリーグのビッグクラブに移籍していただろう。
しかし、前述した通り契約解除金とレアルに付随する条項によりそれが難しくなっているのだ。
大金を支払って久保を獲得したいと考えるクラブがあるならば、主力に次ぐ有力なローテーション要員としての獲得ではなく、主力中の主力としての獲得となるだろう。
そう考えると、右WGに世界的名手のいるビッグクラブは必然的に除外される。
・アーセナル→ブカヨ・サカ
・リバプール→モハメド・サラー
・バイエルン→マイケル・オリーセ
・バルセロナ→ラミン・ヤマル
レアル・マドリードはロドリゴの去就が不透明だが、2トップシステムを採用する可能性もあり、ロドリゴが仮に移籍したとしても右WGの役割ができる選手も多いため移籍はないだろう。
アトレティコ・マドリードに関しても、左WGはジュリアーノ・シメオネが伸び盛りでグリーズマンもプレーでき、スペイン代表MFバエナを総額5500万ユーロ(約93億円)で獲得しているため、経済的な面でも久保の獲得の可能性は低いといえる。
チェルシーもペドロ・ネトとマドゥエケがおり、ブライトンからジョアン・ペドロを獲得しているため、こちらも可能性は低い。
マンチェスター・シティもサビーニョやベルナウド・シウバ、フォーデン、サビーニョがおり、今夏ラヤン・シェルキも加わるため、久保を獲得する可能性は低いだろう。
エバートンが久保をリストアップしているとスペインメディア『FICHAJES』が報じたが、昨季13位のエバートンではステップアップとはいえない。
このような状況を踏まえれば、ジャパンツアーが終わったとしてもステップアップできそうな移籍先はほぼないと言わざるをえない。
しかし、1つだけわずかながら可能性が残されているクラブがあると考えられる。
それがバイエルン・ミュンヘンだ。
バイエルンには絶対的な右WGであるオリーセがいるが、クラブW杯でトップ下を主戦場とするジャマル・ムシアラが腓骨骨折&足首脱臼の大怪我を負ってしまった。
大ベテランのトーマス・ミュラーもクラブW杯を最後に退団、右WGのサネも移籍したため、明らかに攻撃的な選手が不足しているわけだ。
久保がバイエルンに加入すれば、トップ下のスタメン候補として半年程度はプレーできる。
そして仮にムシアラが復帰しトップコンディションに戻ったとしても、ビッグクラブのバイエルンならば攻撃陣はローテーションしながら戦うため、久保も一定以上試合に出場できるはずだ。
代理人事務所がドイツの「Sports360」であるというのも、この移籍が実現する可能性を高める要因といえるだろう。
果たしてバイエルンはこの緊急事態の解決策として久保の獲得を決断するのか、今後の動向に注目だ。
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