
完全Vで早くも2勝目! 佐久間朱莉は身長155センチなのにどうして250Y飛ばせるの?【優勝者のスイング】
「ブリヂストンレディス」で初日からの首位を守り切り、佐久間朱莉が2勝目を飾った。初優勝までに何度も苦い思いをしてきたが、4月の初優勝からわずか1カ月で2勝目を挙げてみせた。初優勝でつかんだ自信が「2勝目につながった」と本人が話すように、「最終日は2人のデッドヒートとなりましたが、優勝を経験したことで気持ちにゆとりがあるように見えた」というプロコーチの南秀樹に、身長155センチと小柄ながら、ドライビングディスタンスは244.06ヤード(17位)と飛距離が出る理由を聞いてみた。
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飛ばしのポイントはバックスイングにあると分析する南。佐久間はゆっくりとしたリズムで体を捻っている。「体を捻り上げる動作がとても上手くパワーを溜め、切り返し以降は一気に解放しています。私の想像ですが、ゆっくりと上げてトップが良いポジションに収まれば、あとは勝手に体が動く。バックスイングに決まり事がありつつも、それ以降は一気に迷いなく振れているのが飛距離につながっていると思います」。体を捻る意識が強いと、バックスイングで左、ダウンスイング以降で右に乗るギッタンバッコンになりやすいが、佐久間にはそうした動きは見られない。
体を捻りクラブを上げる際に気をつけたいのが、お腹や脚の力感だ。「お腹は斜め下を向いたまま、足裏で地面をつかむような意識を持ちたいです。この感覚を得るには、クラブを持たずに右手でお腹を抑えながらバックスイングの動作をしてみてください。お腹に力を入れ左肩を下げて上体を捻っていきます。同時に足の内側にも力が入ることを確認します。その際、ドライバーなら多少ですが右足内側、アイアンなら左足内側が力むように重心を維持すること。こうすることで、お腹の力を抜かずに打てるのです」。お腹に力を入れ続けることで逆体重になりにくくなる。
手先ではなく体でクラブを上げるため、コックが遅くチンバックしているのも特徴的だ。「アゴを右へ向けると体が回しやすくなります。そのまま上体を捻りクラブを上げれば、コックの意識は薄く、佐久間さんのようにレイトコックになるでしょう。切り返してから腕とクラブの角度が最大化するような意識を持つと、クラブと体との時間差ができて飛距離につながります」。
イメージは体を捻ってクラブを引っ張り上げて、脚を使って引っ張り下ろすこと。その際、「引っ張り上げなければ、引っ張り下ろせない」わけで、佐久間のようなトップができるからこそ、切り返し以降のスピードが生まれるのだ。ゆっくりと上体を捻り、クラブを上げる佐久間のスイングイメージで飛距離アップを狙ってみては。
■佐久間朱莉
さくま・しゅり/2002年生まれ、埼玉県出身。2020年のプロテストをトップ合格。昨季は未勝利ながらメルセデス・ランキング8位と躍進。「KKT杯バンテリンレディス」にて、悲願の初優勝を達成した。大東建託所属。
■南秀樹
みなみ・ひでき/プロゴルファーである父の影響でゴルフを始め、高校卒業後にティーチングプロ資格を取得。クラブを使うことを主とする指導法が高い評価を得ている。幼少期から鈴木愛を指導するなど、ツアーで活躍する数多くのプロをサポートしている。(株)ボディスプラウト所属。
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