
大事にした“333”…佐久間朱莉は胸を張って師匠にV報告へ 「ジャンボさんになんと言われるのか楽しみ」
<KKT杯バンテリンレディス 最終日◇20日◇熊本空港カントリークラブ(熊本県)◇6565ヤード・パー72>
初Vを手土産に佐久間朱莉がジャンボ邸に向かう。師匠の尾崎将司との対面は2月の開幕前の挨拶以来。待ちに待った瞬間を前に、心は早くもそわそわだった。
「あした優勝の報告に行きます。なんと言われるのか楽しみです。きょうはわくわくしてテレビを見てくれていたらいいなぁと思います」
3月の開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」の前週に開催された台湾ツアー「フォックスコンTLPGAプレーヤーズ選手権」に向けて離日する前に、千葉にあるジャンボ邸を訪れた。佐久間の「行ってきます」に、師匠の返事は「よし!」。そのときから「今度、お会いするときは勝ってから」と決めていたという。
ジャンボとの出会いのきっかけは中学3年の2017年に出場した「日本女子オープン」で、4学年上の原英莉花と予選ラウンドの2日間を同組で回ったことだった。その年に高校を卒業した原は既に正式な弟子入りを認められ、女性では初めてジャンボ門下生となっていた。原や周囲の関係者の話に中学生は興味津々。当時を父・浩太郎さんは「ジャンボさんがどういう人なのか全然知らなかったと思いますよ。でも、『行きたい』って…」と苦笑しながら振り返った。
初対面を終え、女性では原に次いで2人目の弟子として迎え入れられた。その後、尾崎は「ジャンボ尾崎ゴルフアカデミー」を開校。ジュニアの育成に本格的に取り組むことなるが、佐久間はいわば“0.5期生”として腕を磨いてきた。
門下生となって、多くのことを学び、教えてもらった。なかでも大切にしているのは『333』。「ジャンボさんには333という数字があって、前にこれって何ですかと質問したときに、『最初の3ホール、最後の3ホールを大事にしているから333なんだ』と教えてもらいました。ほかの意味もあると思いますが、私もそれを大切にしています」。
この日も2番でバーディを決めて流れをつかみ、終盤は16番のパー3で4メートルを沈めるバーディで初優勝に向けて大きく前進した。16番のティショットで手にしたクラブは7番アイアン。11番でシャフトを木に当てながら「折れずにいてくれてよかった。曲がってもいませんでした」と感謝したクラブで、ジャンボの教えを忠実に実践。悲願の初Vへの大きなポイントとなった。(文・臼杵孝志)
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