【ゴルフ会員権】第120回 千代田カントリークラブ(茨城県)

マスターズの舞台、オーガスタナショナルGCに範を取ったクラブハウス。「クラブとしての理想の象徴としたい」と現地に依頼、同意を得て設計された。手前の植え込みは、こちらは日本列島の形になっている(本家は合衆国の形のロゴマーク)

コースもしっかり面白い27ホール。予算総額は超破格の120~130万円台!

常磐道・千代田石岡インターから約5分。都心から約60分とアクセスのいい林間コース。80年代にゴルフ場経営の大手、旧STTグループが経営母体となって開発、1982年に法人向けの高級接待コースとして開場した。会員権が1億円に達したこともあり、一部上場企業の役員でなければ譲渡できない別世界的ゴルフ場だった。

現在はPGMグループの運営に変わり、ラグジュアリーなコースと施設をそのまま活かしながらもグッと身近な存在に。2017年からはハイグレードブランドGRAND PGM(グランPGM)の1つとして、ハード・ソフト両面でより快適性を増している。

コース設計は日本オープン2勝など国内通算14勝を挙げて殿堂入りを果たした杉本英世プロ。1968年に日本人で初めて米ツアーのライセンスを獲得したレジェンドだ。
高低差わずか3メートルのフラットな地形に西・中・東の3コース27ホールがゆったりと展開。15の池や80に及ぶ白砂のバンカーを巧みに配して戦略性と景観を高めてあり、印象に残るホールが連続する。全体に距離は短めだが、バック(Blueティ)からはタフに造られている。左右の林と池が効いて手ごたえを感じられるだろう。

練習施設はドライビングレンジがなく、屋外はパッティンググリーンのみ。代わりに、屋内に最新型シミュレーションゴルフ(全5打席)を導入している。ゲーム感覚で練習できるチャンレンジモードも選択可能で利用者が多いそうだ。

大理石がふんだんに使われたクラブハウスは数多ある全国ゴルフ場の中でもトップクラスの贅沢空間。豪華さの中にも落ち着きがあり、スタッフの丁寧な応対も評判がいい。

ネックはクラブ競技。競技志向のゴルファーには残念だが、月例杯などのクラブ主催競技が行われていない(プライベートコンペやイベントの開催はあり)。これは好みが分かれるところだろう。

直近の会員数は正会員426名(平日会員なし)。居住地別に見ると東京都在住者が最も多く全体の46.4%を占め、以下、千葉県在住15.4%、茨城県在住8.8%と続く。
夫婦や家族連れ、接待での来場が多いそうで、会員数が少ないこともあってスタートは取りやすい。メンバータイムも月~金曜日に2組、土日に5組確保されている。

また、P-CAP対象コースなのでグループゴルフ場の優待料金や住居移転サポートなどの会員特典プログラムを利用可能。終身会員制度も適用となり、親族に会員権を生前贈与した後もプレミアムステージ会員としてプレーが可能だ(各種条件あり)。

PGMでは2024年2月から募集金額132万円で追加募集を実施中(100名に達し次第締め切り)。会員権業者を通す場合は予算総額120万~130万円台で推移している(名義書換料55万円、年会費11万円含む。金額はすべて税込)。内容を考えたらこれは破格と言っていいだろう。

基本情報

千代田カントリークラブ
https://www.pacificgolf.co.jp/chiyoda/
茨城県かすみがうら市上佐谷877-6
TEL 0299-59-3030
開場日/1982年5月9日
コース設計/杉本英世

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