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最後まで攻めた“日本一決定戦” 木下稜介は涙にじませ「来年またリベンジしたい」

最後まで勝利への執念を見せた木下稜介。 日本タイトル獲得ならずに涙(撮影:鈴木祥)

<日本オープン 最終日◇12日◇東京ゴルフ倶楽部(埼玉県)◇7251ヤード・パー70>

「本当に最後の最後までわからない状態で最後負けてしまったので、 非常に悔しいです」。18ホールを終えて、目をうるませながら言葉を絞り出した。トータル3アンダー・単独2位の木下稜介は首位タイの最終組から優勝争いに挑んだが、1打届かず涙をのんだ。

前半から今平周吾、稲森佑貴とトップ争いを演じ、後半の13番では単独首位に立っていた。前の組をプレーする今平が14番でバーディを決めてトップに並ぶと、木下は14番で3パットのボギー。そこから続く15番でティショットを左のラフに入れてレイアップ。3打目を2メートルに寄せるも入らず連続ボギー。今平も16番でスコアを落としたが、1打の差ができてしまった。

「14番からの連続ボギーが非常に痛かったんですけど、ギャラリーの方から“頑張れ”とか“まだまだいける”とか、たくさんお声がけいただいて、16番ではなんとかパーをセーブすることができた」。ファンの応援が木下の背中を押し、「おかげで17番のキセキのバンカーショットに繋がった」と17番ではチップインバーディを奪取。首位タイで最終18番を迎えた。

ティショットをフェアウェイに運んだが、前を見ればグリーン上でガッツポーズする今平の姿があった。「(今平が)バーディを獲ったのはわかりましたし、キャディと話して、バーディを獲るだけだと。17番のバーディがあったからこそポジティブにセカンドショットを打てたんですけど…」と最後まで諦めずにバーディを狙った一打は、グリーンの左にあるバンカーのフチへ。スタンスも取りにくい難しい状況のなかなんとか放った3打目は無情にもカップに沈まず。3メートルを決めきってパーセーブとしたが、一打の差に泣いた。「プレッシャーのなかでもピンに絡めるショットが打てる技術を身につけて、来年またリベンジしたい」と唇を噛みしめた。

今回の結果で賞金ランキングは3位に浮上。2週後に行われる、日本開催の米国男子ツアー「ZOZOチャンピオンシップ」の出場資格(日本オープン終了時点の賞金ランキング上位8名)を獲得した。「たぶん難しいセッティングになると思います。この経験を生かして全力で頑張りたい。来週1週間しっかりと、体調も少し連戦で疲れがあるので、しっかり休憩とトレーニングで体を作って万全の状態で臨みたい」と最後は前を向いた。悔しい気持ちをしまいこみ、米ツアー挑戦といきたい。(文・高木彩音)

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