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日本ツアー5勝のY・E・ヤン “レジェンド”を下して米シニア初優勝「すごくハッピー」

Y・E・ヤンがうれしい”初優勝”(撮影:GettyImages)

米シニアのチャンピオンズツアー「アセンション・チャリティ・クラシック」のプレーオフ1ホール目。1.8メートルのバーディパットをカップに沈めると、Y・E・ヤン(韓国)は両手で力強くガッツポーズを見せた。米シニアでツアー初優勝。ベルンハルト・ランガー(ドイツ)を下し、笑顔でカップを掲げた。

このガッツポーズは2009年「全米プロゴルフ選手権」を制したときを彷彿とさせるものだった。日本ツアーを経て、08年からPGAツアーを戦っていたヤンは当時37歳。首位で最終日に入ったメジャーは14戦全勝というタイガー・ウッズ(米国)を逆転して“タイガー神話”を崩し、アジア人初のメジャー制覇を成し遂げた。

あれから15年。52歳になったヤンが再び快挙を達成した。スチュワート・シンク(米国)と並んで首位で最終日を迎えたヤンは、「64」と伸ばしたランガーを17番のバーディで捉え、「66」をマーク。、トータル13アンダーで並び、プレーオフへ突入した。

ヤンがティショットでフェアウェイを捉えたのに対し、ランガーは左のバンカーへ。しかし、ここからで5メートルにつけるスーパーショットを見せたが、ヤンはおよそ150ヤードをさらに内側のチャンスにつけた。ランガーのバーディトライはわずかにカップ右を通り過ぎて万事休す。最後はヤンがパットを沈め、レジェンドを下した。

「全米プロに勝ったのは、もうずいぶん前のこと。シニア3年目で勝てたことは本当に特別。すごくハッピーだ」と満面の笑みを浮かべる。「きょうはストレスもあったしプレッシャーもあった。ベルンハルトは本当に強い選手。タフな戦いだった」と、日本ツアー5勝を誇るヤンもランガーの追い上げには緊張していたというが、最後は見事な締めくくりで勝利を奪った。

ランガーは「勝てずにとても残念だったが、最終日に64をマークできたことは自分にとってすばらしいこと」と納得顔。春先にアキレス腱を痛めて欠場を余儀なくされ、シニアツアー通算46勝を誇るも今季は未勝利。レギュラーツアーからの卒業は表明しつつも、シニアでの活躍はまだまだ続く。「ヤンと素晴らしいマッチができた。シンクもチャンスがあった。良い戦いだった」と、最後は満足げだった。(文・武川玲子=米国在住)

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