原英莉花、渡邉彩香がNG視する【靴の横ブレ】ってどんな状態? FJの見解が興味深い
「アース・モンダミンカップ」の練習日、フットジョイ(以下、FJ)が新作シューズを持ち込み、女子プロへフィッティングを行っていた。ツアーに新作が持ち込まれ、PR活動が行われるのはゴルフクラブと同じだが、そこで選手が語った「靴の見方」に気になる共通点が確認できた。まずは、FJとは契約外の渡邉彩香のコメントだ。
■ハードヒッターは【横ブレ】を嫌う!?
「ブリヂストンレディスから履いてます。私は軽くて、ランニングもできるようなシューズが好き。(新シューズは)軽さもバツグンですし、スパイクレスなのにグリップ力もある。(FJで)【横ズレ】が気になったことがありません。もともとフットジョイのシューズは、グリップ力があると感じています」(渡邉)
同じく、FJとは契約外の原英莉花もこう話す。
「(新シューズは)サイドの感じが【横ブレしなくていい】ですね。もともと私はスパイクレスが苦手だったんですけど、フットジョイのシューズを履いていた時に、滑らないし、しっかり地面と噛んでくれる印象があって、スパイクレスが好きになるきっかけになりました。これもそういう感じがします」(原)
2人の「靴の見方」に共通するのが【横ズレ】【横ブレ】というキーワード。これは女子プロの中ではハードヒッターだからか? 国内男女ツアーでフィッティング経験豊富なFJの吉岡氏に見解を聞く。
■男女とも、靴の中で足が動くのを嫌う
「2人がハードヒッターというのもあるとは思いますが、ヘッドスピード問わず男女プロで【靴の中で足がグニュッと動くのが好きな選手はいない】と思いますよ。ここ数年でツアーでもソフトなスパイクレスの人気が出てきましたが、やはりアッパーがソフト過ぎたり、サイズが大き過ぎたりすると、靴の中で足が不意に動いて、選手には不安定で頼りないフィーリングになりがちです。
特に、男子は筋力的に出力が大きくそういう声が多いですが、女子選手でも特に韓国の選手は【横ブレ】を嫌う人が多いです。イ・ミニョン選手やペ・ソンウ選手もそうですが、コーチの方からそういった横ブレする靴に注意されているのか、女子でも男子が好むような『プレミア』シリーズのようなアッパーもソールもしっかりしたモノを好むケースも見られます」(FJ吉岡氏)
FJ以外に、ミズノのスパイクレスシューズの企画担当だった奥井氏にも見解を聞いたが、「昔から特に男子プロはソフトなスパイクレスは【横ブレするし、不安定で頼りない】と言われてきた経験が多いため、そもそも軽量・ソフトで快適性を求めたシューズが作れたとしても、提供しないケースも多いです」。やはり、足元が不安定だと、プロは職業上NGのよう。
■鋲よりもディスクが横ブレしない!?
エンジョイゴルファーにとって、本格的なゴルフシューズは「重く・硬くて快適じゃない」との声も多く、ミズノによれば近年は「エンジョイ層にはアッパーがソフトでスニーカーに近いものほど快適で好まれる」とか。だが、選手には全く事情が異なるという。昨日、女子プロにフィッティングしていた、FJの六車氏は【横ブレ】というキーワードに関して、こう話していた。
「スパイクのように鋲の付く方が【滑らない】【横ブレしない】とこれまでの常識で思われがちですが、『PRO/SLX』や、今回持ってきた『PROLITE』には鋲がありません。でも、サイド部分の『レーストラックテクノロジー』でソールが波型形状になっているため、横方向へのブレを感じさせない。履いてもらえば分かるんですが、そうとしか説明できないですね。サイドスタビライザー(シューズ外側の下にある部分)をつけることで、さらに横方向へのズレを防止しているんです。原プロも渡邉プロも、その部分を感じて頂けたのかなと」(六車氏)
また、FJと契約外の村田理沙も「(新シューズは)柔らかいのに、足がしっかりと固定される感じがします。バランスがとりやすいし、グリップ力も軽いクッション性もあって歩きやすい」と言い、ハードにも重くも感じない様子。
吉岡氏は「フットジョイはそもそもゴルフシューズ専業なので、昔からアッパーを極端に柔らかくする設計にはならない」と言うが、村田は新作を十分ソフトに感じたよう。選手には、アッパーが硬いor柔らかいよりも【横ブレしなければOK】というのは共通するようだ。(編集部M・K)
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