【スイングプレーンって何?】スイングプレーンを理解して、理想のスイング軌道を身につけよう
1.スイングプレーンとは?
スイングプレーン は、クラブの軌道が作る「平面(plane)」のことをいいます。
クラブの動きに「面」が出てくることに疑問を感じる人もいるでしょうが、ここでいう面とは、スイング中に移動していくクラブの動きをつなげた「仮想の面」。もともとシャフト=線であるクラブの動きを、その瞬間、瞬間で捉えるよりも、その線をつなぎ合わせ、「平面上をシャフトが動いている」と考えるほうが、スイングの全体像をイメージしやすいということでスイングプレーンという概念が生まれました。
実際のスイング中、必ずしもクラブは同一平面上を動くわけではないのですが、クラブの軌道を安定させるためには、この平面上をクラブを動かす意識を持った方がいいといわれており、それを実現することを「オンプレーンに乗せる」「オンプレーンで振る」と表現されます。
2.スイングプレーンの種類
スイングプレーンという言葉を世に広めたのは、メジャー9勝を誇るベン・ホーガンです。彼が、自著『モダンゴルフ(Five Lessons : The Modern Fundamentals of Golf)』(米国での初版は1957年)において、ゴルフスイングを解説するにあたり、スイングプレーンを使ってわかりやすく説明したことから、スイングの指標として注目を集めるようになりました。
ベン・ホーガン以降、いろいろな名称のスイングプレーンが生まれましたが、現在もよく使われている「ホーガンプレーン」「シャフトプレーン」「エルボープレーン」の3つについて説明しましょう。
ホーガンプレーン
「ホーガンプレーン」は、ベン・ホーガンが提唱したスイングプレーンで、飛球線後方から見た場合に、両肩とボールを結んだ平面をいいます。
ホーガンはイメージ像として、肩の上に長方形の大きなガラスの板(首の部分が開いていて頭はガラスの板から突き出ている状態を想像してください)を乗せ、もう一方の短辺をボールの所に置くという傾斜したガラスの板を設定。バックスイングではその内側をなぞるようにクラブを上げ、ダウンスイングではその外側(ガラスの板の上)をヘッドが突き破らないようにしましょうと唱えました。
つまりホーガンは、このガラスの板をなぞりましょうといったのではなく、このガラスの板を突き破るほどアップライトな軌道になってはいけないということをいいたかったのです。
これを意識すれば、ダウンでのタテ振りや、アウトサイド・インの軌道が修正できるということで、半世紀以上経った今でも多くのゴルファーの指標となっています。
シャフトプレーン
「シャフトプレーン」は、アドレス時にできるシャフトの傾きを基準にした平面です。構えたときに手元からボールに対して伸びるクラブが逆方向にも伸びていて、そのクラブ2本分の線を基準にできる平面となっています。
ドライバーはフラットになり、ウェッジはアップライトになるといったように、番手によって構えたときのクラブの傾きは異なるので、番手ごとにプレーンの角度は変わってきます。
シャフトプレーンに沿ってクラブを上げ、ダウンでもそれをなぞるというのは理想的な感じもしますが、実際、ハーフウェイバック以降、クラブはタテ方向に上がり、ダウンスイングでもシャフトのタテしなりが起きることを考えると、シャフトプレーンをなぞるというのはあまり現実的ではありません。特にフルスイングでは、軌道から外れていくため、多くのゴルファーは、ハーフウェイバック辺りまでの基準として意識しているようです。
ちなみに、ブライソン・デシャンボーは、シャフトプレーンに沿ってクラブを動かしている数少ないゴルファーのうちの一人です。
エルボープレーン
「エルボープレーン」は、飛球線後方から見て、右ヒジとボールを結んだラインで作られる平面です。他のプレーンに比べてイメージしにくい平面ですが、斜めのラインでいえば、ホーガンプレーンとシャフトプレーンのほぼ真ん中を通ります。スイング解説の際、ホーガンプレーンとシャフトプレーンの線を引き、「この間を通せばOK」というような表現をされることもありますが、その真ん中のラインがほぼエルボーラインに当たります。
飛球線後方からのスイング映像や連続写真などを見ると、ほとんどのトッププロは、ダウンスイングからインパクトにかけて、このエルボープレーン上を通過していて、インパクト軌道のガイドラインとして使っている選手も多いようです。
Follow @ssn_supersports