男子日本代表、中国に敗戦も 田㔟監督「今後非常に楽しみな選手が揃ってきた」<世界卓球2024>
<ITTF世界卓球選手権釜山大会2024 日程:2月16日~2月25日 場所:釜山(韓国)>
22日、世界卓球選手権釜山大会の男子団体決勝トーナメント準々決勝が行われ、日本代表が中国代表と対戦した。
松島輝空(木下グループ)、張本智和(智和企画)、篠塚大登(愛知工業大)がそれぞれ1ゲームずつ奪うも、マッチカウント0-3で中国に敗れ、2大会連続のメダル獲得とはならなかった。
中国相手に1ゲームずつ奪うも越えられず
写真:松島輝空(木下グループ)/撮影:ラリーズ編集部
1番では今大会で初めて2点起用された松島が樊振東(ファンジェンドン・中国)と対戦。松島は世界ランキング1位を相手に一歩も引かないプレーを見せ、第1ゲームを13-11で先取する。
第2ゲームでは松島が8-10とリードされた状態から2点連取でデュースに追いつくも、1歩及ばず10-12で失う。
写真:樊振東(ファンジェンドン・中国)/撮影:ラリーズ編集部
第3ゲームは松島が7-3とリードを広げるも樊振東が追いつき逆転。続く第4ゲームも樊振東がミスの少ないプレーで振り切り、ゲームカウント3-1で勝利した。
写真:張本智和(智和企画)/撮影:ラリーズ編集部
2番には張本が登場。世界ランキング2位の王楚欽(ワンチューチン・中国)との対決となった。
第1ゲームは序盤からリードを保った張本が11-8で先取。第2ゲームも張本が先に1点を取るも、そこから王楚欽が10点連続得点を決め、2-11で失う。
第3ゲーム以降も巧みなサービスとラリーで張本を上回った王楚欽が2ゲームを連取し勝利した。
写真:篠塚大登(愛知工業大)/撮影:ラリーズ編集部
マッチカウント0-2とあとがなくなった日本は、篠塚を3番に起用。リオデジャネイロ五輪・東京五輪の金メダリストの馬龍(マロン・中国)との対戦となった。
第1ゲームの序盤は篠塚がリードを広げるも、馬龍が追い上げを見せ9-11で先取。馬龍が続く第2ゲームも取り、第3ゲームでもリードを広げる。
写真:馬龍(マロン・中国)/撮影:ラリーズ編集部
しかし篠塚のタイムアウト明けから逆転し、第3ゲームを11-9で取り返し、第4ゲームも9-7までリードを保つも逆転を許し敗退。
日本代表は中国代表にマッチカウント0-3のストレートで敗れ、2大会連続のメダルを逃し、ベスト8となった。パリ五輪団体出場権を自力で獲得するも、中国の壁を感じさせられる結果となった。
男子日本代表・田㔟邦史監督 試合後コメント
試合を振り返って
いい試合ができたなと思います。最後まで諦めずに勇気を持って、堂々と戦ってくれたなと思います。
今日は1番で松島選手を起用したが
アジア選手権で篠塚と樊振東(ファンジェンドン・中国)が試合をしていた(から避けたかった)のと、もしオリンピックで中国と当たったときに篠塚と馬龍が当たる確率があるんじゃないか、ということを考えて馬龍とやらせてあげようと考えました。
オーダーについては色々考えました。樊振東と(張本)智和を最初にあてようかなっていう。そうすると(松島)輝空がエース扱いで、智和が1番と5番になるか、もしくは2番と5番になると相手に余裕を持たせてしまうな、やっぱりエースが4番にいないとっていうところで(起用した)。
(智和は)王楚欽と分が悪くて、どちらかといえば樊振東の方がいいなとも思ったんですけど、チーム的なことを考えたら、智和に勝ってもらいたかったので(2番に起用した)。
松島選手も素晴らしかった
どういう試合になるのかなと思ってましたが、要所要所のラリーで負けていなかったです。
2ゲーム目10-10での1本と、3ゲーム目にリードしたときに相手がしつこく回転をかけてきたボールに対してミスを誘われましたね。そこがちょっと経験(の差)なんですけど、非常にいい試合してくれたなと思います。
3人ともすごく競ったりゲームを取ったりしたが、最後の大事なところを取り切ってくるところが中国のプレーだった
そうですね。でも輝空も初めてですし、それを自分で体験して学んでいく。
篠塚もそうですけど、馬龍との試合で1ゲームを競っていて取れなかったり4ゲーム目も9-7でリードしていて取り切れないっていう、そういうところでなぜ取れないのかはやっぱりやってみないと分からない。でもこういった場所でできた、ということを自分のものにしてほしいなっていう風に思います。
だけど非常にいい試合だったんじゃないかなと思います。
張本選手が第1ゲームを取って、第2ゲームから流れが変わったが
中国選手とやると、1ゲーム目をどうしても取りたいんですが、そうなったときに1ゲーム目に全てを出してしまって、だんだんやることがなくなってくる。
(戦術の)引き出しが多いと、点数的には競っていても、メンタル的には実はまだ余裕がある。智和だけに限らず全員に言えることなんですが、(戦術の)引き出しが中国選手の方が少し多い。1本が競って取れない、1本が遠いということがあるので、こちらも引き出しを多くしていく必要があるのかなと思います。
また、勇気を持って(戦術を)パッと変えてくるところが中国選手のすごいところなので、そういう部分は日本の選手たちも見習うべきかなと思います。
張本選手ののYGサービスは捨て身だったのか
やっぱり何かしら変えなきゃいけなかったのでね。ただ、YGサービスで何本か得点できていたので、今後の引き出しを増やすためにいいことだったのかなと思います。
フォア側のボールもブロックしないで打ち込んでいて、練習の成果が出ていました。今大会、1本もフォアのブロック見てないと思います。全部ドライブで返してたので。
なので、大きい大会になれば、強制的に厳しい練習させようかなと思います。あいつが逃げようと思っても捕まえようかなと思います(笑)。
この2年間での日本選手と中国選手の成長速度について
これだけ勝負できたので、日本の方が良くなってきているのかなと思います。今大会、日本は5人中3人が初出場で、16歳と20歳が2人。あとは22、3歳ですよね。
若い選手でも今後非常に楽しみな選手が揃ってきたなと思い、後ろで試合見ていて面白かったです。
「あと数年したら、本当に中国に勝てるんじゃないのかな」っていう可能性を示してくれた試合内容だったので。
今回の敗戦で「やっぱり中国強いな)と思うのではなく、「あれ、意外とできるんじゃないのか」って、そういった可能性を信じて選手たちには頑張ってほしいなと思います。
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