張本智和「全日本の神様が6年ぶりに優勝をくれた」戸上隼輔とのライバル対決制しV<全日本卓球2024男子シングルス決勝>
<天皇杯・皇后杯 2024年全日本卓球選手権大会(一般・ジュニアの部) 日程:2024年1月22~28日 場所:東京体育館(東京)>
28日、2024年全日本卓球選手権大会は最終日を迎え、男子シングルス決勝が行われた。
決勝では戸上隼輔(明治大)と張本智和(智和企画)が対戦。昨年の全日本決勝で対戦したときは戸上が張本を下して優勝を飾っていたが、全日本以降もパリ五輪選考会や国際大会で幾度となく対戦し、対戦成績はほぼ互角。直近では、今月上旬に行われたWTTコンテンダードーハで対戦しており、そのときは張本が勝利していた。
試合は、序盤から激しい打ち合い合戦となり、戸上と張本が主導権を奪い合う展開に。第1ゲームを戸上が制すると、第2ゲームは張本が制し、ゲームカウントは1-1となる。しかし、続く第3ゲームを戸上が11-9で制すると、第4ゲームも戸上が主導権を握って奪取。ゲームカウント3-1で戸上が先に優勝に王手をかけた。
このまま戸上が優勝を掴むと思われたが、第5ゲームは張本が手動権を握り返して11-9で奪取。その後の第6ゲームも張本は戸上に先にチャンピオンシップポイントを握られるも、デュースに追いついて14-12で制し、勝負は最終第7ゲームへ。
第7ゲームも戸上と張本による一進一退の攻防が続き、先に戸上が10-8でチャンピオンシップポイントを握る。しかし、張本が粘りを見せて再びデュースに追いつくと、その後も点の取り合いが続く。そして、15-14で張本がチャンピオンシップポイントを握ると、最後は戸上のブロックがオーバーし、試合終了。
ゲームカウント4-3で戸上を下した張本が、6年ぶり2度目の優勝を飾った。
男子シングルス決勝
戸上隼輔(明治大)3-4 張本智和(智和企画)〇
11-8/10-12/11-9/11-8/9-11/12-14/14-16
張本智和(智和企画)優勝インタビュー
会場の雰囲気はどうですか?
本当にもう…、言葉が出ないですね。いつも自分はインタビュー完璧なんですけど(笑)、今日は本当に言葉が出ないです。
誰に感謝したらいいのか。相手も含めて会場にいるすべての人に感謝したいです。
優勝の実感も言葉に表しづらいですか?
初優勝なんじゃないかと思うくらい全日本での優勝の仕方を忘れて、今日も戸上選手は完璧で何をやってもダメで。先週は勝ったんですけどそれも僅差で、本当に強いです。
決勝終わって握手のときも言ったんですけど「1位も2位も僕らの中では変わらない」。時の運で1点2点、ラッキーもあったり思い切れたり、その差で結果は出ちゃうんですけど、僕と彼は同等でライバルで、明日やったら彼が勝つかもしれないし、明後日やったらまた僕が勝つかもしれないですし、本当に良きライバルです。
これでオリンピックまで半年間、正真正銘の仲間として(戸上選手とともに)突き進んでいきたいと思います。
今日の試合、勝敗を分けたポイントは?
ポイントは多すぎて、すべてのボールがポイントって言いたいくらいなんですけど、5ゲーム目1-3の10-9でタイムアウトで取り切ったところ、2つ目がマッチポイントを何回も取られて取り返したところです。
正直、最後は足つってたんですけど、最後の2点でピタッて足つったのが止まったんですよ。そのときに神様に「勝て」と言われてるのかなと本当に心の底から思いました。
相手に8回チャンピオンシップポイントを握られましたが
8回ですか…。自分では3、4回耐えたかなと思ったんですけど、それだけ耐えたってことは信じられないですし、8回耐えたっていうのはこの先あるかないかだと思うので、全日本の神様が6年ぶりに優勝をくれたのかなと思います。自分の力ではないです。神様のおかげです。
前回の優勝と比べると
当時の10倍も20倍も100倍も優勝したなっていう実感があって嬉しいです。本当に1試合目から最後まで無駄なボールは1球もないですし、こんなに欲しくて取れたタイトルもここ数年で初めてですし、大会前は「全日本獲れなくてもオリンピックでメダルとれればいいや」くらいの気持ちだったんですけど、改めてこの全日本のすばらしさ、価値を再認識させられました。
次は僕が連覇するチャンスがある選手になるので、これから先何度も連覇できるように、本当に戸上選手とは全日本含めて何回もやると思うので、彼と決勝で何度も何度も戦って、勝って負けて。もちろん全部勝ちたいですけど、本当に実力は同じくらいなので勝つ回数を増やして、お互い世界に向けて高め合っていけたらなと思います。
パリオリンピックに向けて
いよいよ全日本が終わって来月から世界に向けての大会が始まりますし、この半年間が一番大事だと思いますね。
オリンピックその日は準備してきたものを発揮するだけなので、この半年間いかに良い準備をするか。そこでメダル獲れるか獲れないかが決まってくるので。試合はただの答え合わせであって、本当に明日から、この瞬間ですね、あの表彰台を降りたらオリンピックが始まると思って頑張りたいと思います。
文:ラリーズ編集部
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