日本一曲がらない男 稲森佑貴のリリースはアンダースロー「右肩を思い切って下げます」
器用な右手を使いすぎることが“悪”とされるゴルフスイング。しかし、8季連続でフェアウェイキープ率のタイトルを獲得している日本一曲がらない男、稲森佑貴の正確コントロールのポイントは右手の使い方にある。
「僕の右手の使い方は野球のアンダースローと一緒なんです。ダウンスイングで右肩を下げながら、手首をやわらかく使ってヘッドを走らせていく。すると、インパクトでボールを押し込んでいくことができます」
そんな稲森が勧めるのが、まさに「アンダースロードリル」。ドライバーのアドレスを作ってから右手だけを離し、左腕は固定したまま右手だけをトップの位置に上げ、クラブの下を通るように振っていく。
「このとき、腕だけを振るのではなく、体全体を使うこと。野球のアンダースローのように右肩を思い切って下げていくと、右手が低い位置まで下りてきます。この動きで右半身の使い方が分かると、左の壁を作れてヘッドが走るようになります」
体を使わずに肩から先だけを振ると、クラブの下に右手を通すことができない。実際のスイングでも同じようにクラブをリリースすれば、しっかりボールに力を伝えながら、正確なドライバーショットが打てるのだ。野球選手でもバッターよりもピッチャーにゴルフが上手い人が多いのは、右腕のしなやかな使い方に秘密があるのかもしれない。
■稲森佑貴
いなもり・ゆうき / 1994年生まれ。鹿児島県出身。正確なドライバーショットを武器に積み上げた勝利は5つ。冗談めかしながら「ランを稼ぐために(フェアウェイの)順目を狙っています」と言ったこともある。その幅はおよそ2ヤード。昨年マークしたフェアウェイキープ率79.269%は自身が持つツアー記録を更新し、8季連続で1位の座を守った。
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