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「松山さんを追いかけてきた」久常涼が米ツアー参戦で楽しみにしていること

久常涼がハワイから米ツアーのルーキーシーズンをスタートする(撮影:ALBA)

久常涼がこの2024年シーズンから米国男子ツアーに参戦する。岡山県の作陽高校を卒業した21年は日本ツアーのQTランキング1212位で迎え、下部のABEMAツアー出場も難しい位置だった。

そこから少ないチャンスで21年のABEMAツアーの賞金王に輝くと、同年にレギュラーツアーのシード権まで獲得。22年にDPワールド(欧州)ツアー出場権をつかみ、23年に欧州ツアーの初優勝と新人王に加えて、ポイントランキング上位10名に与えられる米国男子ツアーの出場権と、わずか3年で世界最高峰の舞台まで這い上がってきた。
 
前例のない出世街道を走ってきた21歳は、今週11日にハワイで開幕する「ソニー・オープン・イン・ハワイ」から米国転戦生活をスタートする。「楽しみです。1年目だしチャレンジャーの立場で、楽しみながらやっていければ。ヨーロッパでプレーしたような感じでやっていければいいかなと思っています」。
 
昨年9月、フランスのナショナルオープン「カズー・フランスオープン」を制したときは通訳を介さずに英語で優勝インタビューに臨み、ジョークを交えて海外メディアの笑いも誘った。「そんなに自信はないですけどボチボチは」と言葉への不安は少ない。マネージャーは帯同せず、久常1人で転戦する予定だ。
 
「まずはシードを獲ることが最低限の目標。欲を言えば50位、70位だけど、125位までに入れれば良いかなと思っています」。米ツアーのポイントランキング50位までは、最終戦のあとに行われるフェデックスカップ・フォールを経ずに、高額賞金、高額ポイントが付与される少人数の“格上げ大会”への出場権が得られ、同70位以内にはフル出場権、同125位以内にはフルシード権と、順位によって出場できる試合に差がある。
 
米ツアーで楽しみにしていることを聞くと、「松山さんと試合で回りたいんですよね」と答える。久常と同じ21歳で海を渡った松山英樹とは、日本開催の米ツアー「ZOZOチャンピオンシップ」の練習ラウンドで一緒に回ったことがあるものの、まだ試合で一緒に回ったことはない。「日本人選手で松山さんを追いかけてずっとPGAを目指してやってきたので、そこで一緒に優勝争いなんてできたら最高だなと思ったりしています」と、久常は松山への思いを明かす。
 
地道にポイントを積み重ねてシード権獲得といきたいところだが、4月に開催されるメジャー初戦「マスターズ」への出場も意識する。「行きたいです。そこは勝つしかないと思う。優勝目指して頑張りたい」。現在、世界ランキング74位の久常は、マスターズ前週までに世界ランキング50位以内に上げれば出場権を得られるが、米ツアー優勝が一番の近道となる。
 
また、世界ランキングでは松山に次いで2位につけており、このままなら今夏に開催されるパリ五輪出場がかなう。さらに久常が昨年優勝したカズー・フランスオープンの会場、ル・ゴルフ・ナショナルは五輪の開催コースでもある。いよいよ、久常にとってエキサイティングなシーズンが幕を開ける。

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