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次に目指すは世界の女王 “5冠”山下美夢有はパリ五輪にも意欲「金メダルの表彰台に立ちたい」

2年連続で5冠を達成した山下美夢有。来季の目標は?(撮影:福田文平)

2年連続の年間女王、平均ストロークは歴代最小『69.4322』、史上初となる2年連続獲得賞金2億円超え…。『JLPGA Mercedes-Benz Player of the year』(年間最優秀選手賞)など“5冠”を達成した山下美夢有が、20日に都内ホテルで行われた「JLPGAアワード2023」に出席し、5つのトロフィーを手にした。

「去年はジャケットでカジュアルにかっこよく、今年は華やかに、キラキラした感じで。メイクもかわいらしい雰囲気で選びました」と、スパンコールが散りばめられたノースリーブの黒のドレス姿に、シルバーのアクセサリーを輝かせて登場。母・有貴さんと一緒に選んだという全身シャネルのコーディネートには「ビックリしました(笑)。一番高い買い物ですね」と笑った。

年間最優秀選手賞、賞金ランキング第1位、平均ストローク第1位、数々の新記録を称えて贈られた栄誉賞、さらに3ツアー対抗戦「Hitachi 3Tours Championship」で6マッチ無敗の完勝を飾ったJLPGAメンバーのひとりとして特別賞を受賞した。昨年に続き、史上最多の5冠を獲得。「たくさんの賞をいただき、光栄に思います」と喜び、“絶対女王”を印象づけた一年間を振り返った。

短縮競技となった4月の「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」で今季初優勝。5月「ブリヂストンレディス」では逃げ切りで2勝を飾り、2週連続V(3勝目)も達成した。その2戦後の「ニチレイレディス」では完全V。国内メジャー初戦「ワールドレディスサロンパスカップ」で7位タイに入ってからは、11試合連続でトップ10入りも記録(途中1試合は4位タイで最終日に進むも棄権)した。

だが、その途中にスポット参戦した海外メジャーで苦しんだという。「成績を出したいという気持ちが強くあった。準備していったつもりだったけれど、技術面や環境がガラッと変わって自分らしいプレーが発揮できなかった」。3試合に出場して、最高位は「AIG女子オープン」(全英)の21位タイ。帰国後の日本ツアー後半戦では、それが少し尾を引いた。

8月にメルセデス・ランキング首位の座を申ジエ(韓国)に引き渡すと、なかなか追い越せない時期が続いた。それでも「ゴルフ場を出たらおいしいものを食べてうまく切り替えできた」といい、一番印象に残っているのは10月に神戸で訪れた天ぷら屋さん。「感動した。てんぷらよりデザートが美味しかったけど(笑)」とユーモアたっぷりに笑わせたが、ここから首位の座を奪還すると、最終戦で連覇を達成。史上最年少で2年連続の年間女王に輝いた。

「最終戦で優勝できて、いい形でいい終わり方ができた」と締めくくった2023年。来年は海外メジャーでの優勝、「(稲見)萌寧さんが出ていたときの(東京)オリンピックもテレビで見ていた。金メダルの台に立ちたい」とパリ五輪での表彰台を目標に掲げる。

「今のランキングでいけば全試合で海外メジャーに出られるし、パリ五輪もある。来年も来年で切り替えて、ショートゲームの技術や精度が足りなかったので、濃い練習をして、来年もっと上位で戦えるように頑張りたい」。日本ツアーを席巻した若き女王は、世界の女王の座を貪欲に目指す。

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