「今年ストロングロフト化したんです」 藤田寛之が使う7Iのロフトは34度→31度に変わっていた!
今季はシニアツアー全13試合に出場して、トップ10は6度。「日本シニアオープン」に優勝して賞金ランキング3位で終えた藤田寛之。また、「全米プロシニア」、「全米シニアオープン」、「全英シニアオープン」と海外シニアメジャー3試合に出場して、すべて予選を突破した。
「いい一年だったと思います。54歳のツアープロがレギュラーの推薦をいただいて、シニアツアーでは優勝争いをしながら、ナショナルオープンというメジャーを勝ち獲って、海外メジャーにも出て、海外の雰囲気をいまだに感じられている。客観的に見たときに、『すごくツアープロとして充実した時間を送っていますよね』と言えると思うんです」
藤田は今シーズンをそう振り返る。シニアツアーの賞金ランキング4位以内の資格で、来年の「全米プロシニア」、「全米シニアオープン」の出場権も獲得。来季も国内シニアツアーを主戦場にしながら、レギュラーツアーにも推薦で何試合か出場する予定だ。
そんな藤田だが、今年はアイアンを大幅に変更している。これまでは長年契約するヤマハのツアーモデルを使ってきたが、「ストロングロフト化したんですよ」とレギュラーツアー開幕戦の「東建ホームメイトカップ」から『RMX VD/M』を投入した。
「これは自分が40代後半から切望していたんです。いままでは(ディスタンス系モデルは)確かに飛びましたよ。だけど止まらなかった。グリーンを出ちゃう。ところが『RMX VD/M』に関しては止まる。ボールの高さやスピンを入れながら飛距離は伸びて、今までの攻撃性は保つっていう、それがこのアイアンです」
これまで使っていた7番アイアンは「ロフトが34度でキャリーは165ヤード」。それが『RMX VD/M』の7番アイアンは「ロフトが31度に立って、キャリーは172、173ヤード」に伸びた。ロフトが3度立ってもスピン量は変わらず「6000ちょっと入る。いいでしょ」とニッコリ笑う。
この最新アイアンのフラッグシップモデル『RMX VD/R』は、現在は藤田ではなく今平周吾が使っている。「軟鉄鍛造の本物が好きな人はそれ。『R』は彼(今平)に任せて、機能を盛り込んだ助けてくれるクラブは自分がお願いしている。以前は『トップを張っている人間は自分でやるから。ロフトが寝ていても(テクニックで)立てれば飛ぶでしょ?』って感じでした(笑)。スプーンももっと飛ぶのがいい、とかね。いまは道具に何とかしてもらえますかって(笑)」。
ドライバーは『1ヤードでも遠くに飛ばしたい』と毎年のように最新モデルを試すのに、アイアンは『これじゃなきゃ』とこだわり派のゴルファーが多い。しかし今や、藤田のようにプロでも7番アイアンでロフト30度前後というのは珍しくなくなった。
「そういう人は一回試したら面白いですよ」と藤田。あの賞金王にもなったショットメーカーが…と思ってしまうが、「時代というか自分も変化している。成長と言ってもらっていいですか」と笑う。54歳は道具の力も借りながら、来季もレギュラー、シニア、海外シニアメジャーを戦う。
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