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引退試合で念願のツアー初V 佐々木理乃が“500万円”を獲得!【マイナビ ネクストヒロインゴルフツアー最終戦】

佐々木理乃は引退試合でツアー初Vで500万円をゲット(撮影:福田文平)

<マイナビ ネクストヒロインゴルフツアー◇最終戦 マイナビ ネクストヒロインゴルフツアーファイナル 最終日◇17日◇PGM総成ゴルフクラブ(千葉県)◇6495ヤード・パー72>

「やっとです…2年かかりました」と目を潤わせながら話したのは、今年が最後のマイナビ ネクストヒロインゴルフツアーとなった25歳の佐々木理乃だ。

2アンダー・4位タイで迎えた最終日は、朝から強い雨が降り、気温も低いコンディションでの戦い。普通であれば雨風で苦しいラウンドになるところだが、「雨の日はどうしても気持ちが落ちてしまったり、弱気になってしまったりすることがあるんですが、“楽しむこと”を意識して、ちょっと水遊びをしている感覚で、気持ちを強くもって試合に挑めたことがよかったと思います」。佐々木がポジティブな気持ちを保って9ホールを回り終えた直後、天候が悪化して競技が中断。雨の勢いが弱まることなく、27ホールの短縮競技となり、この時点でトータル5アンダーの単独首位に立っていた佐々木が、悲願のツアー初優勝を遂げた。

2022年シーズンの開幕戦「マイナビカップ」から出場して2シーズン。優勝争いに絡むことはあったものの、なかなか栄光をつかむことができなかった。「やっぱり、最後ぐらい勝ちたいなっていう気持ちが強くて。2年出させていただいて1回も勝てていなかったので、ずっと悔しいと思っていました」と胸中を明かした。「今年はプロテストにも落ちてしまったので、何かいい結果を残さないとって強く思っていました」。この2年間応援してくれたファンに最高の恩返しをしたいと意気込んで大会に臨んでいた。

佐々木がネクストヒロインツアーに出場したきっかけは、2019年から国内女子ツアーの出場資格を獲得するための予選会(QT)に出られるのがJLPGA会員のみとなり試合が減ったこと。同じようにプロを目指す選手がどれくらいの実力なのか、自分の力がどれくらい通用するのかを試す場がほとんどなくなってしまったのだ。そんななか、定期的に試合が開催される同ツアーに白羽の矢が立った。「私が大事にしていたのが、年間を通してのモチベーションを保つことでした。だから、みんながどのレベルにいるのかなどを把握できて、すごく助かっていました」。今年で卒業となるため「来年からは出られないので、結果を見ながら、またテストに向けてモチベーションを切らさずに頑張りたいと思っています」と、後輩の姿も確認しつつ、自分の気持ちも奮い立たせる。

ちなみに、今大会の優勝賞金は500万円。今季最終戦、そして佐々木にとっても最後の試合でビッグボーナスを得た。使い道を聞いてみると…「来年のテストにもたくさんお金がかかるので、そちらに回しもします」と、堅実な回答。ただ、「いつも支えてくださっている方に少しでも恩返しができればいいですし、お友だちとご飯に行ったりなどに使えたら」と、嬉しそうな表情も見せてくれた。

「この2年間応援してくれた皆さま、それよりも前から応援してくださっている皆さま、本当にありがとうございました。皆さんからいただく連絡だったり、観戦したよーっていう報告にはすごく励まされて、今まで練習など頑張ってこれましたし、プロテストにも挑むことができました。ネクストヒロインツアーではもう見ていただくことはできないですが、他の試合にたくさん出ようと思っているので、今後とも応援よろしくお願いいたします」と、話し終えると、佐々木はその場に応援してくれているファンに挨拶するように頭を下げた。

最後はニッコリ笑って「ありがとうございました!」と、佐々木のマイナビ ネクストヒロインゴルフツアーが最高の形で幕を閉じた。(文・高木彩音)

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