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本人もビックリの“1日2イーグル” 鶴岡果恋が念願シードへ上々発進「毎ショット後悔のないように」

1日2イーグルで会場を沸かせた鶴岡果恋。初シードへまい進(撮影:上山敬太)

<大王製紙エリエールレディスオープン 初日◇16日◇エリエールゴルフクラブ松山(愛媛県)◇6575ヤード・パー71>

「初めてです」という1日2イーグルが、初シード入りへの号砲になるかもしれない。メルセデス・ランキング(以下、MR)56位で大会を迎えた鶴岡果恋は、「いつもとは違う緊張感がありますね」という雰囲気にも臆することなく4アンダー・13位タイで滑り出した。

最初にギャラリーをどよめかせたのは前半17番のパー5だった。残り215ヤードのセカンドを5番ウッドで、直接グリーンに乗せると、下り4メートルのイーグルパットを流し込んだ。

さらに本人もビックリのプレーが、3アンダーだった後半の5番パー4で生まれる。ピンまで残り160ヤードからの「右よりを狙った」というショットが、ピン3メートル手前に落ちるとそのまま転がりカップイン。ギャラリーの歓声でビッグプレーに気がつき、「うれしかったですね。どうせなら(カップに入るところを)見たかったです」と言うが、その表情は当然ながらおだやかだ。最終9番パー5も右バンカーからの3打目アプローチをうまく寄せ、バーディで締めくくった。

いつにも増して、一つひとつのバーディに大きな価値がある試合だ。2018年のプロテスト合格後、これまでにシード権を獲得したことはない。しかし今年はMR56位と、上位50位までの選手に与えられるフル出場権を視界にとらえながら、この試合を迎えている。現在50位との差は69.93ポイント(pt)。単独8位以上であれば、逆転シードの可能性が出てくる。そしてMR51位~55位には前半戦出場権が与えられるが、55位の堀琴音との差はわずかに13.33pt。こちらは単独32位以上になれば、滑り込む可能性がある。

「ここの結果が良ければQTに出なくて済むし、悪かったらQT行き」。これが“普段とは異なる緊張感”の根源になっているのは言うまでもない。特に今年はQTランク65位での開幕で、「元々、レギュラーツアーに出られる位置ではない」と前半戦は出場試合がかなり限定された。そのなか、主催者推薦で出られる試合でポイントを積み上げ、2度のリランキングを突破。修羅場をくぐり抜けてきただけに、QTに参加しないで済むならそのほうがいい。

2つ目のイーグルの後、6、7番で連続ボギーを叩くなど、右に散ってしまうティショットには不安を残すが、狙っていくのは“MR50位以内”。そこに向けて、ラウンド後も調整を進めていく。「やってダメなら仕方ないと切り替えますが、毎ショット後悔のないように」。今年のドライビングディスタンスで250.40ヤード(16位)を誇る24歳の飛ばし屋は、本来の豪打を取り戻しはじめてのシードを射止めることはできるか?(文・間宮輝憲)

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