• HOME
  • 記事
  • ゴルフ
  • 夢は金メダル 渋野日向子の後輩・中嶋月葉がツアー2戦目で堂々ベストアマ

夢は金メダル 渋野日向子の後輩・中嶋月葉がツアー2戦目で堂々ベストアマ

将来を嘱望される16歳・中嶋月葉がベストアマチュアを獲得した(撮影:福田文平)

<伊藤園レディス 最終日◇12日◇グレートアイランド倶楽部(千葉県)◇6741ヤード・パー72>

16歳のアマチュア・中嶋月葉(なかしま・つきは)が3日連続のアンダーパーとなる「70」で回り、トータル9アンダーの10位タイでベストアマチュアに輝いた。地元・兵庫を離れ、渋野日向子らを輩出した岡山・作陽学園高で寮生活を送る1年生。小学生の妹にダメ出しされることもあるという苦手のパッティングを克服して、ツアーでも上位でプレーできる能力を発揮した。

13位タイからのスタートとなった最終日。中嶋は6、8、9番とバーディを重ねて一時は3位タイにまで浮上した。「全然知らなくて(キャディの)父に『今3位だよ』って言われたんですけど、なるべく気にしないようにしていました」。後半は1つスコアを落としてフィニッシュ。その後、スコアを伸ばしていった上位陣の優勝争いにはついていけなかったが、レギュラーツアー2試合目で堂々のトップ10フィニッシュを果たした。

開幕前から今大会の目標はベストアマチュア。「アンダーパーが必要だと思っていたので、3日ともアンダーパーで回れてうれしいです」。好スコアの要因にはショットの安定とともに「最近入るようになってきて、今週もまあまあ入ってくれました」というパッティングを挙げる。今春から「気が済むまでできるので、毎日2時間ぐらいやっています」と放課後に学校の施設でパッティング練習に励んできた成果が出た。

中嶋は5歳のころ、父・知洋さんが趣味でゴルフを始めたのをきっかけに一緒にクラブを握るようになった。当然、それまでゴルフ一家というわけではなかったが、今では小学4年生の妹・雪音さんも世界ジュニアに出場するなど活躍中だ。姉としてアドバイスを送っているのかと思いきや、中嶋は「逆ですね。特にパッティングは私の方が『それはないわ』とか言われる側です」。厳しい妹のダメ出しも、発奮材料のひとつになっているのだろう。

妹はJLPGA主催の「全日本小学生ゴルフトーナメント」で優勝経験があるため「トーナメント会場では『雪音ちゃんのお父さん、今日はどうしたんですか?』なんて声を掛けられます。JLPGAの方には雪音の方が知られているみたいですね」(知洋さん)。今回の活躍で中嶋月葉の名前も関係者に知れ渡ったはずだ。

夢はオリンピックの金メダル。「小さいころからテレビでスポーツを見るのが好き。オリンピックはスポーツで一番の舞台なので、そこで1位になることが目標です」。今回のベストアマチュアはその第一歩。世界に名を轟かせるアスリートを目指して、これからも練習に励んでいく。(文・田中宏治)

関連記事