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2023-2024CL展望「6年ぶりのCLで優勝を狙うアーセナル」
写真:ウーデゴール(ロイター/アフロ)
アーセナルの黄金期は、2003—2004シーズンから始まった。
名将ベンゲルが指揮を執り、アンリやベルカンプ、ピレス、ヴィエラ、リュングベリなどを擁しにプレミアリーグ無敗優勝を果たした。
FA杯も複数回優勝し、「プレミアリーグにアーセナルあり」を印象付けた時代であるといえるが、そんな黄金期にも成し遂げられなかったのが、「CL優勝」だ。
2003—2004シーズンはベスト8、2004—2005シーズン、2006—2007シーズンはベスト16、2005—2006シーズンは準優勝というように黄金期でも優勝を掴み取ることができなかった。
さらには2010—2011シーズン~2016—2017シーズンまでの7シーズン連続でベスト16となるなど、「強いけどCL優勝はできないクラブ」といった印象を持つファンが増えた。
2016シーズンからはプレミアリーグでも優勝争いできなくなり、ベンゲル監督が去った後も強さは戻らなかった。
いつしかCLにも出場できなくなっており、「アーセナルは昔は強かった」と言われる存在になっていた。
アルテタ監督が就任し「強いアーセナル」がカムバック
2019年12月20日、クラブOBであるミケル・アルテタがアーセナルの監督に就任する。
監督経験はなく、マンチェスターシティでグアルディオラ監督のアシスタントコーチをしていたアルテタの起用は、かなり意外性のあるものだった。
新型コロナウイルスの影響もありベストメンバーが組めず初年度は8位に終わるなど結果を残せなかったが、2022-2023シーズンでブレイクする。
マルティン・ウーデゴールやベン・ホワイト、冨安健洋、アーロン・ラムズデールなどを前年に獲得すると、ガブリエル・ジェズスやオレクサンドル・ジンチェンコらの獲得やウィリアン・サリバがレンタルから復帰し戦力が増す。
シーズン終盤までプレミアの首位を守り続け、優勝こそマンチェスター・シティに譲ったものの、2位で翌シーズンのCL出場権を獲得したのだ。
かつてレアル・マドリードで神童と言われたウーデゴールをキャプテンに据え、アーセナルの下部組織出身のブカヨ・サカが名手に成長するなど各ポジションにワールドクラスの人材を確保することに成功する。
「強いアーセナル」が誕生したわけだが、彼らはプレミアリーグ優勝だけでなく、「CL優勝」も虎視眈々と狙っている。
グループBの首位となっており決勝トーナメント進出の可能性は高い
6年ぶりのCL出場となったアーセナルは、グループステージの半分が終わった時点でグループBの首位に立っている。
勝ち点は6であり、2位のRCランスが勝ち点5、3位セビージャと4位PSVが勝ち点2という現状を踏まえればまだ油断はできないが、本来の実力を発揮できれば決勝トーナメント進出の可能性は高いだろう。
世界屈指の実力を誇るGKラムスデールが守り、DFラインはサリバ、ガブリエウ、ベン・ホワイト、ジンチェンコと強力で冨安というハイレベルなサブメンバーもいる。
今夏ライスを獲得し、ウーデゴールやハヴァーツ、ジョルジーニョ、ファビオ・ビエイラなどMF陣も超豪華メンバーだ。
そしてFW陣もメガクラブに引けを取らない陣容だ。
ブラジル代表ジェズスに世界屈指のWGであるサカとマルティネッリがおり、サブにはトロサールやヌケティアーなど確かな実力者が控える。
プレミアリーグ優勝を目指しながらもCL上位を狙う選手層の厚さもあるため、怪我人さえでなければメガクラブと渡り合えるはずだ。
久しぶりのCLだが、決勝トーナメントに進出するだけでは満足できないだろう。
若いチームゆえにラウンド16や準々決勝でメガクラブを打ち破ることができれば、勢いに乗り悲願のCL優勝も見えてくるはずだ。
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