3児の母となった中村香織が8年ぶりのレギュラーツアー参戦 「飛距離はあんまり変わらない」その理由は…
<富士通レディース 事前情報◇11日◇東急セブンハンドレッドクラブ(千葉県)◇6697ヤード・パー72>
「富士通レディース」主催者推薦選考会の狭き門を突破し、8年ぶりにレギュラーツアーに戻ってきた中村香織。2013年に賞金ランキング37位となってシード権を獲得。ステップ・アップ・ツアーでも3勝を挙げるなどの活躍を見せていたが、15年の本大会を最後にレギュラーツアーから離れた。結婚し3児の母となり、ゴルフスクールの経営者・インストラクターとなって当時の戦場に帰還した。
「レッスンをするために勉強していたら、今まで自分が疑問に思っていたことが『なるほどな』と分かるようになってきました。そうやって練習していたら、当時より技術的な面がアップしていると感じて、試合に出てみたいな」と、再び試合に意識が向くようになったという。
「試合に出ることで、お客さんからの信頼が高まるじゃないですか。インストラクターから『香織さんは試合に出るべきです』って意見もあって」と、マーケティング的な側面からも試合への出場を決めた。
まずは7月に開催されたステップ・アップ・ツアー「カストロールレディース」に、「一応QTを去年受けていたので、出場権が下りてきて」と出場。そして今週は10日(火)に行われた主催者推薦選考会を1アンダーの8位タイで勝ち抜け、出場権を手にした。
しかし、3人の出産を経て、現役で戦っていたときに比べ「体重が落ちましたし、筋力レベルが一般女性以下になっているんです」と、不安を口にする。出産、子育てで6年間ボールを打つこともなかったが、それでも飛距離は「あんまり変わらない」という。
理由は「クラブの設計通りに振るという、うちのレッスンのモットーを実践するように」しているから。「前はインパクトを合わせていたんですが、今はそういうことをせず、スイングのなかでインパクトを迎える。クラブの流れとかリズムを意識するスイングに変わりました」と話す。
また、クラブ変更も中村のゴルフを安定させている。「8年前のクラブを使っていたんですけど、このままじゃやばいよねってなってクラブを総入れ替えしました。前は走り系のシャフトを好んで使っていましたが、スイングの感覚が変わったこともあって、ドライバーのシャフトを『スピーダーNXブラック』に変更して、アイアンを『TRAVIL』に変更しました。今のスイングのリズムに合っていて、感覚も合うようになりました」と好感触だ。
「昨日レッスンに出勤したとき、お客さまが『今週応援行きます』と言ってくれたので、恥ずかしいゴルフをしないように。とりあえず予選は通りたいです」と少し恥ずかしそうに意気込む。「レギュラーツアーのセッティングを久しくやっていないので、グリーンの硬さとラフの密度は注意したいですね。(バーディを)うまく獲れるところで獲れるようにしたいです」と、8年ぶりのレギュラーツアーに挑んでいく。(文・杉本夏希)
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