最高の一瞬『美しさの追求_水泳』

 

こちらは男子の10m高飛込の写真です。飛び込み台のところで逆立ちをした状態から、そのまま後ろに倒れていくような感じで水に向かっていく飛込のところです。

 

多重露光モードで1枚の写真の中に7カット撮れる設定で撮影しました。

 

足の形が指先まできれいに揃っていますが、やはりこの段階から美しさというか、着水のところまでを意識していないといけないんだと思います。ここできれいになっていないと、おそらく水しぶきも上がってしまうので。

 

飛込の会場って、選手がこの台の上に立つと全体がシーンと静まり返るんですね。それでみんなが選手をずっと見ているなかで、やはり台から飛び出したところが注目されがちなんです。だけど、前回の写真でもそうですが、この飛び込む前の部分にも面白さがある。それを写真でこうやって表現できるのかなと思っています。

 

また、国際大会とかになると、背景が黒くなるところが多く、選手にスポットライトが当たっているみたいな形になる。そこでよりアーティスティックで、芸術的な写真が撮影できると考えています。

 

 

▼岸本勉(きしもと・つとむ)

1969年生まれ、東京都出身。
10年余りスタッフフォトグラファーとして様々な国内外のスポーツイベントを撮影。2003年に独立、「PICSPORT(ピクスポルト)」を設立。良くも悪くも人の記憶に残る写真を撮ることを心がけている。オリンピックは夏季冬季合わせて14大会、FIFAワールドカップは7大会、ほか国内外問わず様々なスポーツイベントを取材。2015年FINA世界水泳選手権カザン大会より、オフィシャルFINAフォトグラファーを担当。国際スポーツプレス協会会員(A.I.P.S.)/日本スポーツプレス協会会員(A.J.P.S.)
Instagram:@picsport_japan

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