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米シニアツアーで起こったV逸の“悲劇” 優勝者も「とても驚いた」と目を丸くしたできごととは?

パットが…。ポール・ゴイドスに起こった悲劇(撮影:GettyImages)

ミシガン州グランドブランクのワーウィックヒルズG&CCで行われた米国シニアツアー「ザ・アリーチャレンジ」で、“悲劇”が起こった。首位タイで最終日を迎えたポール・ゴイドス(米国)にまさかの事態が起きたのは、勝負も佳境に入った17番だった。

トータル11アンダーからスタートしたゴイドスは、前半で2つ伸ばすと、後半も13番から3連続バーディ。トータル15アンダーまで伸ばし2位のビジェイ・シン(フィジー)に1打リードの単独首位で17番パー3を迎えていた。

ゴイドスはピン5メートルのチャンスにつけたものの、上りのバーディパットが約1メートル左にショートすると、これがあまりにも苦しい時間の始まりになった。ここまでにもショートパットを外してたゴイドスは、マークして慎重にパーパットを打ったが、パンチが入ってカップを通り過ぎ約80センチオーバー。さらに、大きくを息を吐き気を取り直して打ったボギーパットも1.2メートルオーバーした。

まだ悲劇は終わらない。ダブルボギーパットも右に逸れてカップ横に止まって入らず、タップインで決めたのは5パット目。1オン5パットの「6」とトリプルボギーを叩き、シンに首位の座を明け渡すことになった。カップからボールを拾い挙げたゴイドスは両腕を組み無言でしばしカップを見つめる。『一体何が起きたのか…』とでも言いたそうな表情を浮かべたあと、勝利を逃したことを理解したのか諦めた表情で天を仰いで歩き出した。

最終18番パー4をパーで終え、この日は「71」と1つ伸ばすのみ。トータル12アンダーにはしたが、トータル14アンダーでホールアウトしていたシンが勝利した。「ゴイドスがいいプレーをしていたから、彼がミスをしないと勝てないと思った。しかし5パットにはとても驚いた」。5年ぶりの勝利を手中に収めたシンは、舞い込んだ優勝に目を丸くしながらも、笑顔でトロフィーを掲げた。

前日、第2ラウンド終了後に「後半はやや疲れがあった。この年では仕方ないことだ」と話していた59歳のゴイドスは、最終的に3位タイで終わったこの日は、さすがに無言を貫いてコースを後にした。(文・武川玲子=米国在住)

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