TikTokがJリーグをバズらせる! ウンパルンパ×佐藤陽一(TikTok Japan GM)

TikTokはリアルとの接触に強みがある

—Jリーグにとって、「Z世代に届ける」というのが一つの鍵かと思います。ウンパルンパさんは、同世代のJリーグへの関心をどう感じていますか?

ウンパルンパ:Jリーグは知っていても、スタジアムに行く人は少ないですよね。自分の周りも、Jリーグより海外サッカーをスマホで見ている人が多いです。

—TikTok、オンラインを通じたPRに力を入れるのはもちろんですが、実際にスタジアムへどう行ってもらうかが大事ですよね。

ウンパルンパ:小学生の時、豊田スタジアムで名古屋グランパスの試合を見ました。大歓声のなかでプレーする選手を見て、興奮したんです。「自分もこうなりたい。ここでプレーしたい」と。その経験からプロサッカー選手を目指し始めました。間違いなくスタジアムには魅力が詰まっているので、多くの人がそこへ行くきっかけをつくりたいですね。

僕がアンバサダーとしてJリーグファン以外に“ウケる”投稿をするのもそうですけど、選手がオフの姿を見せることも重要かなと。試合中とは違う意外な一面を見せることで、新しいファンが生まれるかもしれません。ハンドボールのレミたんがまさにそうですよね。

@anriremi 回線速度の歴史 #meme IB: @sisteryell ♬ 5G4G3G2G – FanFunnyShow

佐藤:皆さんが思っている以上に、TikTokはリアルとの接触が強いプラットフォームです。TikTokで紹介された本が、実際に書店で売れて話題になることもあります。

スマホはどこへでも持っていけるデバイスで、ほぼ全ての人が持っている。僕のような年を取った人間が思っているほど、オンラインとオフラインは断絶されていません。スポーツの話ですと、Bリーグ・川崎ブレイブサンダースさんがTikTok上の施策を通じてチケット販売増に繋がったという話もあります。

別の視点でいうと、日本のプロスポーツでもっと魅力を発信していける部分は競技以外のエンタメ性です。たとえばアメリカのメジャー野球は、球場に行く道のりから楽しいんですよね。グッズやスタジアムグルメなど、サッカーをあまり知らない人でも楽しめる発信も重要です。それだけでスタジアムに行く理由になりますから。動画投稿のハードルが低い若年層の力を借りて、様々な世代の人々の心を動かしていきたいです。若いクリエイターのみなさんに、スタジアムの楽しさを発信してもらいたいですね。

—佐藤さんのキャリアを見ると活字系メディアが長いと思いますが、動画メディアが伸びている理由はどこにあるとお考えですか?

佐藤:本を読む習慣がある人はかなり少ないと言われていますが、それをベースに考えると長い文章でのメッセージが届く人は限られています。文字を読むのが苦手な人も含めた広い層に短い動画でアピールできるのは絶対的な強みです。

また、TikTokのユーザーが見るのはフォローしているクリエイターの動画だけではありません。ほとんどの人が「おすすめ」フィードを見ます。ここではフォローしているかどうかに関わらず、話題になっている投稿やユーザーの嗜好に合う動画が見られます。面白いアカウントやコンテンツとの偶発的な出会いがつくれるんです。そういった特徴も含めて、TikTokには活字メディアとは違う面白さ、強みがあります。

—最後に、TikTokを通してJリーグにどう貢献したいかを教えてください。

ウンパルンパ:僕の視聴者さんには、サッカーをあまり知らない人も多くいます。そうした人に刺さる動画をつくって、Jリーグをさらに盛り上げたいと思います。

佐藤:僕たちは舞台をつくることしかできません。あとは、クリエイターやユーザー、Jリーグに関わる方がTikTokを面白いと思ってくれるか、楽しんで動画を作ってくれるかにかかっています。縁の下の力持ちとして、相乗効果に期待しています。

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