被災地を勇気づけたチームの存在。3.11を転機にスポーツの世界へ

フィジカルとメンタルが求められる世界

私自身は以前から藤枝MYFCの存在は知っていましたが、もともとご縁があったということではなく、ちょうど求人サイトでこのクラブを見つけたことから入社に至りました。それまでは情報に関してはネットや本を読む程度で、生でスポーツ業界の方々と接する機会はほぼなかったんです。入ってみてわかったのがスポーツ界は雇用面や給与面で安定しない部分があるということ。ただ、やはり成し遂げたいものがあり、クラブの理念に共感したからこそ突き進んでいけています。Jリーグは毎年決算を公表していますが、横ばい、現状維持というクラブが多い状況です。ただ、そうなるとなかなか続かない部分があります。右肩上がりでスムーズに行くというのはそう簡単ではないですが、 “このままの世界ではいけない”というのは常に課題意識としてあります。

私がこのクラブに入れた理由の一つとして“変わった経歴”というのはあったかもしれないです。『東電から来るの?』と驚かれましたよ。私は法人営業の経験はありませんでした。ただそれでも環境の変化にアジャストできたのは、大学時代のアメフトの経験が生きたからなのかなと思います。4年間コミットして目標達成に向かっていけたという体験は、ビジネスの世界とはレベルが違うかと思いますが、活きている実感はあります。

あとは、単純にこの業界で体力やタフさはどうしても必要になってきますし、9時に始業して18時に終わる、という世界ではない。そういう意味ではメンタルとフィジカルは非常に大事になりますし、そこの部分が備わっていたのも大きかったかもしれません。正直、クリエイティビティや企画力はなかったのですが、目標に対して数をこなしてやり切るというところや、成果にコミットしていこうとする姿勢は評価されたかもしれないですね。そういった部分は普遍的に、スポーツ界に関わらず必要とされる能力かなと思います。ただ、求める人材と言われると“何かを作り出せる人”というのはあるかもしれないです。もちろん、経歴が面白そうな方を採ろうとしている企業さんもあると思うので、一概にこれだからというのは言えないですが…。

法人営業が未経験だった私は、とにかくスキルを磨くというのもそうですが、場数をひたすら踏みました。1日3件以上、新規の商談をしようという目標を持っていたんです。ただ、飛び込み訪問はしない方針でやっていました。そこでどうアポイントをとるかとなったときに、Facebookで藤枝MYFCに“いいね”をしてくれた人にアプローチをしたり、様々なところから紹介を頂いたり、色んなツールを駆使しながら動きました。クラブとしても社長が講演をさせていただく機会が多くあり、地場の経営者の方々と繋がりを持たせていただいております。質を狙いにピンポイントにいくのも大事なのですが、色々な出会いがあって生まれるものもあるので、数をこなすということは重要なのかなと思います。

まだスポーツ業界の離職率は高いですが、多くの人が挑戦することでスポーツ業界、今後スポーツビジネスは良くなっていきます。持っている想いを実現するフィールドは必ずあると思いますし、その想いを持ち続けていくことでチャンスが広がることは間違いありません。ぜひ多くの人がスポーツ業界に入ることで、この世界をより良いものにしていければと願っています。

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