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ZOZO西巻拓自が語るスポーツ協賛「千葉愛では、社内の誰にも負けません」

企業のアイデンティティに繋がる“ロジカルではない”部分

ZOZOで15年勤務し、人生の3分の1以上を共に過ごしています。そのZOZOと、幼少期から応援してきたジェフのロゴが並んでいるだけで、すごく血が騒ぐんです。もちろんスポーツ協賛において、数字で測れる部分は効果検証をしたほうが良いとは思いますが、ZOZOの場合は「千葉市を応援して盛り上げる」ためにスポンサー活動を行っているので、単に売上を上げたり、会員数を増やすためだけにスポンサー活動を行っているわけではありません。

ただ、前社長はかなり数字を見ていましたよ。ロジカルな部分と、そうではない部分のバランスをものすごく気にしていて、ずっと「西巻はバランスが悪い」と言われ続けていました。言われたときは納得できなかったんですが、今になってその言葉の意味がすごく分かるんです。

何かしらツールを入れることで費用対効果を計測できるのであれば、すべきだと思います。ただ、正確な数値を測るには、導線をしっかりしないといけません。そうやって効果検証をするために取り組みを複雑化させたり、コストを上乗せしたりするのは、今は違う気がします。

もちろんこれはスポーツ協賛で「千葉市を応援して盛り上げる」という目的があるからであって、そのほかの形の施策であれば、当然ながらしっかりとした効果検証はしますけどね。スポーツ協賛でどれだけの効果が得られるかは未知数ですが、ZOZOが収益を上げられているうちは続けていきたいですね。

スポンサー活動を続けていくためには、会社として利益を生み出し続けていかなければいけませんが、ロジカルではない部分にどれだけ投資できるかは、企業のアイデンティティにも繋がると思っています。

スポーツ協賛は、スタッフのモチベーションに直結する部分もあります。例えば、スポンサー企業は試合のチケットを貰える機会も多いので、スポーツファンのスタッフにとっては嬉しいですよね。スタッフの休日が充実しますし、ZOZOにはスポーツファンが多いので、毎回スポンサーチケットはあっという間になくなります。

ZOZOの企業体質として、短期的に事業の業績に直結する事だけに投資しているわけではないという特徴があります。そういったDNAが刻み込まれていますし、スポーツ協賛はそれが表れている一つの例です。また、社内のデザイナーにとっても各チームのエンブレムを使う際には重みを感じていますし、責任が生じるやりがいのある仕事です。

点を線にするイメージを持って

クラブの価値を上げるためには、スポンサー企業とクラブの関係に、選手が入ってくることも重要だと思います。選手の社会体験にもなりますし、実際に積極的に間に入ってきてくれた選手もいました。

今後は佐藤勇人CUOや選手達とも手を取り合って、何かやりたいなと思っています。彼らの発信力や影響力は、もっとクラブのために生かせるはずですから。そこは佐藤勇人CUOとも相談して、クラブで影響力のある人達を巻き込みながら、サポーターの方々が喜んでもらえる様な取り組みを考えていきたいです。

スポーツ協賛には、お金を出してサポートするスポンサー企業と、ZOZOのように施策ベースでお金を出すスポンサー企業の2つがあります。どちらが良いという話ではないですが、私たちは「こういうことがやりたい」という目的意識を持ってスポーツ協賛しています。

もちろん単発施策としてやるべきものは沢山あると思うのですが、大切なのは行き当たりばったりの施策にしないことです。独立した単発施策も、ひとつの大きなストーリーに乗せることで、その影響力は何倍にも変わってくるのではないでしょうか。

そういった意味で、これからジェフと取り組む時には、今まで以上にストーリーを意識し互いに共有した上で、沢山の点を線にしていける様にサポートさせていただきたいと思っています。ブランディングパートナーという肩書きを掲げている以上は、もっと大きなことを成し遂げたいです。そのために、地元のチームとは今後も共に歩んでいきたいと考えています。

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