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ヴェルディというブランドが彩る渋谷の未来と、新スタジアムの理想像

渋谷の未来と歴史が調和したスタジアムへ

ー2027年の建設を目指していますが、どのようにプロジェクトを進めていくのでしょうか。

金山:「未来の街」と表現すると、すべてが変化してしまうように思われがちですが、何を残して何を変えるかという明確な仕分けと、残し方の手法を掛け算することが大事だと考えています。変えるべきものに関しては、どう変えるのかシナリオを描いて、新しい技術やアイディア、クリエイターを取り入れて、いつでも良いシナリオにアップデートしながら進めていこうと思っています。

ー最後に、ヴェルディが渋谷と共創していく未来についてお聞かせください。

羽生:ヴェルディは、2010年に親会社である読売グループが撤退して、経営難に陥りました。ただ、それから10年経った今でも、練習場はよみうりランドにあるんです。私は2010年に社長になりましたが、早くこの場から出なければいけないとずっと思っていました。でも、あの場所には何かが宿っていて、だからこそアカデミーの選手たちが育っていくのではないかと感じています。

練習場までの坂を登りながら、選手たちは何を考えて、毎日つらい練習に来ていたのか。その想いが染み付いて、50年の歴史になっていると思うわけです。新しいスタジアムができるのであれば、そういった歴史の積み重なるスタジアムになってほしいと考えています。

羽生英之氏

私たちは、総合型クラブとしてハブになりたいという話をしてきました。一つのことではなくて、多様な目的のために使える。スタジアムの中で、私たちができることをやる。そういったハブにしていただきたいと思います。

2020年に入って、ヴェルディは大きくブランディングを進めましたが、ブランディングチームに『どこまで変えていいのか』と聞かれた時に、私は「緑以外は変えていい」と言いました。ヴェルディのアイデンティティで、チーム名の由来となっている緑以外は、全部変えるくらいの気持ちでやってくれと。

変えてはいけないもののほうが少ないですが、それが変わらないからこそ大切なんです。このスタジアムも形がいろいろと変わっても、年々その地に馴染んでいくような存在になれば良いと思っています。

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