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ヴェルディの鍵は「スピード感」。スタッフが挑戦する新たなクラブ運営

フロントスタッフとして目指すJ1の舞台

ーヴェルディで仕事をする中で、苦労したことを教えてください。

佐川:私たちはスポンサーに対し、一社ごとに企業の発展に貢献できるよう、カスタマイズした提案をしています。このスタンスの正しさを証明したいという想いで、1カ月に60件を超えるアポイントを取りに行ったこともありました。1日に7本の時は、7時、9時、11時…というペースで、いかに多くの業界と接点を持って提案していくか。

体力的に辛いと感じることもありましたが、その年だけで27社の新規スポンサーを獲得することができました。成功事例を作るという意味でも、価値のある体験だったと思います。

菊地:私はIT企業出身なので、リアルな興行を運営することは未経験でした。キッズパークでは、たくさんの子どもたちに楽しんでもらうために、とにかくコンテンツ数を増やしました。ただ、そのせいで味の素スタジアムの倉庫が、備品で埋まってしまって(笑)。オペレーションの面もしっかりと設計しないと、継続性がなくなってしまいますよね。

ー逆に嬉しかったことを教えてください。

菊地:新しいユニフォームをプロモーションしていく中で、他クラブのサポーターからも『かっこいい』『うらやましい』という声をいただきました。競技以外の面でも、サポーターにヴェルディを応援することを誇りに思っていただけるのは嬉しいですね。

東京ヴェルディ 2020シーズンユニフォーム

佐川:私たちのスポンサーに、すごく女性の活躍を応援している有料老人ホームの運営会社があります。ヴェルディにはベレーザという女子チームがあるので、一緒に女性が輝く社会を作っていくために、何か協働でできないかとお話させていただきました。

そして、ベレーザの選手と、その有料老人ホームで働く新卒1、2年目の従業員による対談が実現しました。対談の中では、従業員の方が「介護業界のイメージを変えていきたい」と語っていました。同じように、ベレーザの選手も女子サッカーを変えていきたいと。お互いに仕事やサッカーへの熱い想いを語り合って、その内容は企業の採用活動にも活かされています。

その対談を通して、新しい情報発信の方法が見つかったような気がしたんです。サッカーだけでなく、様々な業界と掛け合わせていくことで、より幅広く情報を発信できる。スポーツをビジネスとして役立てられることが、この仕事をしていて良かったと感じました。

ーお二人がヴェルディで成し遂げたい野望をお聞かせください。

菊地:会社の規模が小さいので、何をチャレンジするにしても、仲間の存在が欠かせないと思っています。サポーターやスポンサーはもちろん、外部のパートナーにもクラブの価値やビジョン、現状の課題感を共有することによって、共に価値を共創していくという新しいクラブ運営の形を示していきたいです。

個人としては、自分のフットワークの軽さを活かして、新しいチャレンジをどんどんしていって、ヴェルディが持つパイオニア精神を体現し続けること。そして、いつか味の素スタジアムを満員にしたいです。その暁には、ぜひサポーターの皆さまに菊地チャントを歌っていただきたいですね(笑)。

佐川:スポンサーセールスをしている身としては、ただスポンサーに投資していただくだけでなく、スポーツが企業に貢献できるものだということを証明していきたいです。様々なチームがチャレンジをしている中で、スポーツ業界に楽しくお金が入ってくるモデルを、私たちが率先して作っていきたいと思っています。

TOKYO VERDY BUSINESS TALK SESSION

私は他業種からヴェルディに入ってきましたが、転職で入ってフロントスタッフとして活躍する成功事例になりたいですね。スポーツ業界は、想いを持って働いている方が多い世界だと感じています。そんな業界を志している方のロールモデルになれれば嬉しいですし、今後も新しいチャレンジを続けていきたいです。

あとは、やっぱりJ1に行きたいんです。ホームゲームの時は、試合もファンの顔も、仕事上ほぼ見ることができません。だからこそ、2019シーズンはたくさんアウェイに行って、ファンの方々がどういった想いで応援しているのかを肌で感じてきました。皆さんの期待がすごく感じられましたし、いつも支えていただいている方々と必ずJ1に行きたいと思っています。

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