清水エスパルスはタイカの原動力!タイカがスポンサーを続ける理由

製造業界のイメージを変える

日本の製造業のイメージを変える上でスポンサー活動は大切だと考えています。製造業はBtoCではなくBtoBが多いこともあって、何を作っているのか知られていない会社が多いです。その上、汚い、臭い、きついといった“3K”の泥臭い工場のイメージがまだまだ強い。日本を支える製造業のイメージを良くしていきたいと考えています。

決して今の製造業のあり方が嫌いなわけではないのですが、新たな価値を創造していく必要があると思うんです。よく言われる“原価低減よりもいかに付加価値をつけていくべきか”と思うからです。そうやって唯一無二のものを創造することで得た利益を会社や社会に還元することが大切だと思っています。その還元のひとつが、弊社の場合は清水エスパルスのスポンサー活動です。

企業は利益を出すことが求められます。利益を出さないと質の良いものを出すこともできませんし、お客さまを幸せにすることもできません。一過性の売り上げだといつかダメになってしまうので、しっかり見極めつつ、どう利益を還元していくのかを考えて実行するべきです。

また、そうしていくと製造業の会社ももっと一般の皆さんに知って頂くことができますし、採用にもプラスにはたらくと思います。製造業の会社のスポンサーが増えていけばいいですね。

ここまで話してきたような思いはずっと持っていたのですが、なかなか発信する場所がありませんでした。でも、スポンサーになることでこうした機会に恵まれたこともうれしいですね。

清水エスパルスではどのような形のスポンサーであれ、契約締結や更新の際にホームページでコメントを発表しています。小さなところでも発信する場所があることは大きいです。東京に比べれば静岡は大企業が少なく、清水エスパルスのスポンサーは小さな会社が多いです。うちもそうですが、小さな会社にとって“訴求力のある発信場所”があることも、スポンサーのメリットだと思います。

選手とスポンサーがどう繋がりを作っていくのかもおもしろいところです。選手も神様みたいな遠い存在として扱われるのは嫌だと思いますし、かといって仲良くなりすぎるのもよくありません。程よい距離感を保ちながら接していると、お互いから学び合える良い関係を築くことができると感じています。

スポンサーをしていて良かったと感じる瞬間は、まさに選手たちがスポットライトを浴びている時です。

誰しも光が当たり続ける人はいませんが、試合に勝ったり、記録的なゴールを決めた時は彼らにスポットが当たります。そこに自分が関わっていることはとても嬉しいですし、自分ごとのように喜ぶことができています。

最近だと、清水エスパルスから北川航也選手(現在はオーストリアのSKラピード・ウィーンに所属)が日本代表にも選出されていて、嬉しかったです。久しぶりに代表がエスパルスから出たなと。代表戦を観ていても、「北川選手を出してほしい!」と思うくらい、選手との距離感は近く感じます。

チームの成績に関しては、社長としてはあまり気にしていませんが、いち清水エスパルスファンとして応援しています。

2019年の冠試合では北海道コンサドーレ札幌に0-8で負けてしまいました。社員約200人で観戦していたのですが、途中からシーンとしてきて。残念ではありましたが、これはこれで記憶に残るかなと(笑)。一方でやはりチームへの愛情がある分、勝って欲しかったという気持ちは溢れました。「冠試合で負けるとは、カッコ悪すぎる!」とアツくなってしまったのもいい思い出ですし、好きだからこそですよね。

来たる日まで、準備あるのみ

現在は考え方も多様化していて、ひとつの場所に熱狂的に人が集まることが少なくなっています。また、仲間と一緒に声を出して盛り上がる機会が減っていると感じています。スポーツは、まさにそういった機会を創出するためのひとつのツールです。

コロナ禍により、スポーツが一時的に身近ではなくなってしまいましたが、われわれにできることは楽しめる日が来た時に後悔しないよう準備をしておくことです。

スポーツをする人なら、次に体を動かす時に怪我をしないように準備をすること。もう一度自分の体と向き合って、理解して、来たる日には思いきり走れるように準備をすることが大切だと思います。

事業も同じです。コロナ後を見据えて、この苦しい時期を乗り越えた時どのような手を打つのか、どうお金を使っていくのかを考えておくことが、今われわれにできることだと思います。

自由に動けなかったり、行動範囲が制限されたりと、不自由なことが多いのは確かです。でも、自分たちを見つめ直す機会としてプラスに捉えて、今できることをやっていくのみだと感じています。

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