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アカツキが、ヴェルディと目指す未来。新マスコットからユニフォームまで

ゲーム事業を中心に展開する大手IT企業アカツキと、東京ヴェルディ。2017年にアカツキがスポンサーとなって以来、両者は切っても切れない関係であり続けてきました。

2020年5月に誕生した新マスコット「リヴェルン」や、2020年7月27日にリリースした新3rdユニフォームにも、同社の思いがしっかりと詰まっていました。

アカツキがヴェルディと描きたい未来とは、どのようなものなのでしょうか。同社から出向社員としてヴェルディのファンデベロップメント部に所属する菊地優斗氏に、アカツキとヴェルディの“今”と見据える“未来”について伺いました。

(取材日:2020年7月8日 聞き手:竹中玲央奈、堀友美)

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「アカツキ」を胸に戦う姿に、誇りを覚える

アカツキでは、ゲームを軸としたさまざまなIP(Intellectual Property:知的財産)のプロデュースカンパニーを目指しています。スポーツチームやスポーツ選手も、まさにIPのひとつ。ヴェルディへのスポンサードや経営参画は、IPを生かした新たなビジネス模索のひとつの形です。

その中で、具体的にヴェルディとアカツキの共同事業を作っていくことが私の仕事のミッションの一つです。今やっているのは、ヴェルディのEC事業、新マスコット“リヴェルン”のプロデュース、8月頭に公開したプロスポーツチーム初導入となるファンアプリの開発です。

アカツキは、ゲーム会社としてのイメージが強いと思います。ゲーム以外のIPのプロデュースもできるんだという企業ブランディングにも繋げていきたいですね。双方にとってメリットがある形で、アカツキの強みを活かしてできることを日々模索しています。

アカツキには、「アカツキ」という名のプロダクトがありません。会社名が前面に出る機会が少ない中で、ヴェルディの選手がアカツキを胸に戦っている姿は社員として誇らしく感じます。

2019年には、「ヴェルディキッズパーク」というホームゲームイベントにてキッズユニフォームを配布しました。家族揃って胸にアカツキのロゴが入ったユニフォームを着て、スタジアムで笑顔で観戦している姿を見て、とても嬉しかったです。

他にも、サポーターの方が「アカツキがスポンサーになってくださって良かった」などと声をかけてくださることも。やっていて良かったと感じる瞬間ですし、大好きなヴェルディに少なからず貢献できている実感があります。

社内で感じるスポンサーメリットもあります。もともと人の繋がりを大切にしてきた会社ですが、会社の規模拡大に伴ってどうしても横の繋がりが薄くなってしまっていた中で、交流する機会が少なくなっていました。ヴェルディの社内観戦会が、横の繋がりを生み出す大切な機会にもなっています。

「リヴェルン」はなぜ生まれたのか

2020年5月4日には、ヴェルディとアカツキ共同で制作した新マスコット「リヴェルン」が誕生しました。

はじめましてだルン!

ボクの名前はリヴェルン(`・⊝・´ )

これから、ヴェルディのために
ヴェルディ君やせんしゅ、スタッフのみんなと
力を合わせてがんばルンので、
よろしくおねがいしますだルン💚

インスタグラムも
やってルンので
よろしくおねがいしますだルン!#verdy #リヴェルン

— リヴェルン【こうしき】 (@reverun_verdy) May 4, 2020

クラブのマスコットはホームタウンの行事にも数多く参加するので、ホームタウンの住民の方々との幅広いタッチポイントという役割があります。にもかかわらず、約30年前に誕生した“ヴェルディ君”にはこのタッチポイントという役割において、さまざまな課題があり、この役割を十分に果たし切れているとは言えない状況でした。

このことは、ヴェルディの中でも課題として捉えられてきていました。ヴェルディを知ってもらう最初のタッチポイントとして、マスコットをもっと有効活用していきたい、と。キャラクターのプロデュースはまさにアカツキの強みなので、クラブとともに歩み、より多くの機会やメリットをスポンサーに還元するモデルケースになるように、ビジネスモデル化を検討したうえで、アカツキから協業を提案させていただいたという流れでした。

新しいマスコットを作っていくにあたって、ヴェルディ君では何が課題なのかを改めて分析しました。その上で、新しいマスコットに必要な要素を言語化して整理し、キャラクターデザインに落とし込んでいきました。

ヴェルディ君の課題を表す一つのエピソードがあります。稲城市の成人式にヴェルディ君を連れて行った時に、顕著にわかったんです。稲城市のマスコットキャラクター「稲城なしのすけ」も一緒に来ていましたが、みんな見事に「稲城なしのすけ」の方に寄っていって。抱きつく女子も少なかったです(笑)。あまりに人型すぎると、親近感が沸きにくいんですよね。他にも、子どもが抱きついた時にクチバシが当たってしまうなど、フォルム上の問題は多くありました。

一方で、ヴェルディ君の認知度の高さは強みでした。成人式でもたくさんの方が「あ、ヴェルディ君だ」と知ってくれていました。なのでヴェルディ君はそのままで、新たなマスコットを別で作ろうと。親近感が沸くように名前に「ヴェル」は絶対入れるなど、ヴェルディ君の強みと弱みをそれぞれ言語化して、新しいマスコットをプロデュースしました。

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