田尻稲雄,ラグビー

ノーサイドの精神で一生の友達になる

子どもたちにすすめたい理由

ラグビー,早明戦,田尻稲雄

――子供たちにおすすめできるスポーツと言えますかね?

田尻:言えますよ。一生涯の友達ができますから。ラグビーの一番素晴らしいところだと思います。なかなか今の社会の中で一生の友達はできませんよね。どんなにいがみ合って、ぶつかっても、試合のあとはちゃんとお互いに認め合い、称え合うということができるという、平和に通ずるスポーツなので。そこをお子さん、親御さんたちにも分かっていただけたら嬉しいです。

――健闘を称え合うシーンって、どのようなものなのでしょうか。

田尻:象徴的なのは「エールの交換」というものがあります。試合終了後に、チームのみんなで親指を立てて、相手に対するエール(決まり文句になっている)を言い合うシーンがあります。あとは、「アフターマッチファンクション」という試合後に行われる交流会があるんですよね。ドリンクや軽食を楽しみながら親睦を深められる会です。そこでは、敵・味方という感じじゃなく、一緒になってみんなで楽しむんです。特にフォワードはフォワード、バックスはバックス、という分かれ方をよくするんですが、お互いのチームがお互いのプレーのこと語り合って、(最後はお互いのチームを称えて終わると。そういうスポーツって他にないと思うんですよ。そうして一生続く友達関係ができるので、ぜひ子どもたちにラグビーをおすすめしたいたいんです。(続く)

>>特集連載:北海道ラグビーフットボール協会 田尻稲雄会長「ラグビー、北の大地で再燃」

◼️プロフィール

ラグビー,ラグビーワールドカップ,田尻稲雄

田尻稲雄(たじり・いなお)
1948年生まれ。北海道小樽市出身。メディカルシステムネットワーク創業者・代表取締役社長。社会人チーム北海道バーバリアンズ設立者で、全国クラブ大会で4度の優勝に導く。2019年から北海道ラグビーフットボール協会会長を務める。座右の銘は「人類には、ラグビーをする人間か、しない人間かの二種類の人間しかいない」。

関連記事