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「今までも今も、たくさんのサポートがあって私がいる」。元日本代表・中島詩織が「支援してほしい」と切なる思いを発信

7月31日、立川アスレティックFCレディースの中島詩織が、Twitter上で選手個人をサポートできる制度『プレイヤーズスポンサー』の募集を開始したことを発表した。

女子のトップ選手がなぜシーズン途中に支援を募るのか?

この制度は、2020年から立川アスレティックFCが始めたものであり、支援金は事務的な経費を除いた全額が、選手個人の活動資金として本人に支払われるものだ。支援者は、選手が着用する練習着の胸や袖に企業名または個人名を入れることができる。

中島は今回、この制度をシーズン序盤戦を終えたところでスタートした。

シーズン半ばではありますが、個人的にサポートしていただける方(企業様、個人様)を探しております🤝🏼
日々の練習や試合のアップで着用する練習着の胸や袖に企業名やお名前を入れて頂くことが可能です!
ご興味ある方は是非DM等でご連絡ください☺️#立川アスレティックFCレディース #ThanksRespect pic.twitter.com/i2f46oKheP

— Shiori Nakajima (@sh10_kirin) July 31, 2022

その大きな理由は「環境」だ。

「選手は自分のお金や空いた時間を使って、フットサルに打ち込んでいるのが現状です。仕事をし、空いた時間にチーム練習、個人トレーニング、ケアなどをしています。大好きだからこそ、こういった状況でもひたむきに真摯に取り組めていると思います」
(Twitterより一部抜粋)

中島が言う“こういった状況”とは、簡潔に言えば「フットサルだけに専念できる環境ではない状況」ということ。彼女は、フットサルに専念できることがいかに重要か、現役プレーヤーのなかで誰よりも知っている選手である。

中島は2000年に、東京都八王子のフットサルコートを拠点に活動していた女子チームFUN Ladies(ファンレディース)でキャリアをスタートし、小学6年生ながら、大人に交じってプレーしていた。当時、ファンレディースは女子フットサル最高峰のチームであり、強さと美しさを備えたフットサルで日本中のファンを魅了した。と同時に、中島が在籍した11年のうち、全日本女子選手権大会も5回制覇するなど、まさに“女王”と呼ばれるチームだった。

ただし、そんな頂点のチームであっても、選手の環境は恵まれていなかった。

当時、「女子日本代表」が一度も結成されたことがない時代から、「将来は代表選手として戦いたい」と夢を語り、己を磨き続けてきた先輩たちの背中を見て、中島は育った。

ようやく実現した「日本代表」の結成が2007年。当時、唯一の大会となった、アジアインドアゲームズを戦った中島やチームメートたちは「ここで勝たなかったから、二度と日本代表が結成されないかもしれない」「女子フットサルが日の目を浴びることはないかもしれない」と、結果だけを見据えていた。そして見事、初優勝を飾ったのである。

その後も、2009年、2013年と、同大会を3連覇。2013年大会からはキャプテンマークを受け継ぎ、名実ともに日本のエースとなって、女子フットサルを引っ張ってきた。

2011年にはスペインリーグ1部のアトレティコ・マドリードに移籍し、その後3クラブで活躍したのち、2021年、実に10年ぶりに日本へと復帰を果たした。

そして今、支援を呼びかけている。

「私は今までフットサル中心の生活をしてきました。今もフットサルのことを優先できるような仕事を選んで働いています。現役選手としてトップレベルの環境でプレーできる“今”を楽しみたいからです。

やはりスペインでやっていた時よりは余裕がなく、日々時間が過ぎ去っていく感覚があります。それでも日本でプレーしたいと願い決断したのも自分で、今の自分の置かれている環境を嘆いているわけではありません!でも今の環境を少しでも良くしたいなとは思っています」
(Twitterより一部抜粋)

日本のフットサルは現状、男女共に大きな分岐点にあると言える。極論するならそれは、「プロ化」か、「デュアルキャリア」か、という選択だ。

もともとFリーグは、「プロ化」を目指して進んできたものではあるが、現状は、“両立”が容認され、むしろ働きながらプレーすることが、「競技生活」にもプラスであると感じて取り組む選手も増えている。アスリートの未来は、デュアルキャリアが正解なのか──。

中島の発信は決して、極論に答えを出そうとするものではなく、純粋に彼女や、共に戦う仲間たちが今より少しでも強く、うまくなれることを考えての行動に過ぎないだろう。

ただし中島が発したメッセージは、明確にこうも伝えている。

現役選手としてトップレベルの環境でプレーできる今を楽しむには、フットサル中心である必要がある、つまりそれは、できるだけ専念できることなのだろう、と。

20年前も、10年前も、今も変わらずに提示され続ける「フットサルの環境」問題。立川が推進し、今回、中島が募集を始めた『プレイヤーズスポンサー』が、現状を変えていくきっかけの手段の一つであることはもちろん、言うまでもない。

■支援に関するメッセージ

下記リンク先の、中村詩織選手のTwitterのDMへ直接ご連絡ください。

@sh10_kirin

■立川アスレティックFCレディース次の試合
第6節|8月6日(土)14:30 vs ミネルバ宇部
@バルドラール浦安アリーナ

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