• HOME
  • 記事
  • フットサル
  • 「柴崎岳との出会い」という挫折から14年。生粋の“フットボール小僧”が挑むW杯|ブルーノジャパンの肖像

「柴崎岳との出会い」という挫折から14年。生粋の“フットボール小僧”が挑むW杯|ブルーノジャパンの肖像

日本代表はドリブルだけでは勝負できない

──2016年のアジア選手権はメンバーに入っていたけど中心ではなかった。ジョーカー的な使われ方で出場時間はあまりないなかで敗退。あのときはどう思っていた?

正直、「俺を出せ」というレベルではなかった。このメンバーで負けるかって感じだよね。歴代最強みたいに言われていたじゃん。だから、これで負けるのか、って。

──客観的に見ていた。

もちろん、出たかったけどね。でも、ここで出ても、「俺がなんかできるかな」というのはあったね。(準々決勝の)ベトナム戦とかさ。出たいけど、メンツがメンツだったからね。

──大会前に国内でやったコロンビア戦。代々木で戦った試合を見返したら、途中から出たよね。ドリブル突破してチャンスメイクして活躍した。そのあと、(清水)和也と(中村)友亮が外れた。あそこでメンバーを勝ち取った気がする。

なるほどね。

──2012年のW杯でベスト4のコロンビアに連勝したからね。

たしかに日本史上最強と言われるよね(笑)。

──大会後、次は自分が中心だという想いはあった?

監督が交代して、合宿に呼ばれてから思ったかな。ブルーノ監督になってからはほぼ呼ばれているから。

──たぶん、一番参加しているよね。

そうかもね。戦術的にも、ブルーノとは4、5年やっているわけだからだいたいわかってくるじゃん。だから、ブルーノからは、「新しい人には、戦術の声がけとかをしてくれ」と言われている。そういう立ち位置になったか、と。年齢もそうだけどね。

──若手中心の合宿でも呼ばれているし、いろんなパターンのメンバーのなかで選ばれている。だから、メンバー争いは手堅いという印象だけど。

これだけ呼ばれてきて最後に呼ばれないって、ないわけじゃないから。(前監督の)ミゲルには、ヒールリフトからゴールを決めたあの後に「あいつは絶対に呼ぶ」ってメディアにも話していたけど、実際、呼ばれなかったからね(笑)。そういうこともあるから、最後まで集中しないとだよね。でもあれは逆サプライズだったわ(笑)。

──中心としてやろうという想いはある。

それはある。試合にも出させてもらっているし、使ってもらっているから。でも、北海道でやっているものと、プレースタイルは変えないといけないんだよ。(逆サイドの)未渚実と俺がどっちも(ボールを持って相手と対峙しながら)さらしちゃうと、停滞する。だから俺は前線から犬のように走るしかない。北海道だったらドリブルしてチャンスメイクするけど、代表ではそれだけで勝負できない。ピヴォに当ててからの3枚目を意識している。

──チームとの切り替えの難しさはある。

でも、みんなうまいからさ、純粋に楽しいよね(笑)。

名古屋でもっと真剣にやっていれば良かった

──そういうおまえは、挫折とかあるの? 俺が知る限り、2回くらいしている気がするけど。1回目は名古屋かな。どう感じている?

1年ちょっと名古屋にいたけど、もっとやっておけば良かったと思っているよ。もっと成長できたと思う。あのときは若かったし、ドリブルしかしない。フットサルというか、ドリブルばっかりだった。もっと真剣にやっておけば良かったって、今なら思うけど。

──自分からやめた。

そうだね。

──名古屋はだいたい、契約を切られて出ていく選手が多いのに。

うん。試合に出られなくて、無理やなって……。試合出ないとつまんないとか、あまり深く考えられてなかった。監督とも合わないって(苦笑)。

──後悔がある。

というか、もう少しうまくやっておけば良かったなと。監督との接し方とかもそうだけど、とにかく我が強すぎた。今ならもう少しうまくやれたと思う。20歳くらいだったからね。それから、町田のルイスとかと接するなかで、うまくやらないといけないと感じた。

──試合に全く使われないわけじゃなかったからね。

ポイントで使うみたいな考えだったと思う。

──でも、もっと出たかった。

そうだね。

──あのころは、紅白戦で俺とおまえの2人の関係でよく点を取っていた。でも、その出来がそのまま試合に直結するわけじゃない序列がある。絶対的に中心とされる選手がいるから、その葛藤があるよね。紅白戦で活躍していても、出番が約束されるわけじゃないという。

それはあるよね。でも、それがあって、今があると思うよ。1年ちょっとだけど、名古屋にいたのは大きかったかな。あとは、(森岡)薫さんとかがいたころの町田。アウグストとか、ダニエル(・サカイ)とかがいて、練習からすごく質が高かったからね。

1 2 # ▼ 関連リンク ▼

<< 前の記事へ

次の記事へ >>

▼ 関連記事 ▼

▼ tag list ▼

一覧へ戻る

関連記事