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【日本代表/WEB取材】「電気を流したり足を曲げ伸ばしするだけの毎日」から2年半。W杯を目前に控える八木聖人の覚悟。

フットサルワールドカップ開幕まで残り1カ月半。日本代表チームは現在、千葉県の高円宮記念JFA夢フィールドでトレーニングキャンプを行っている。

日本国内に「右利きのアラ」というプロファイルの選手が多くひしめく中、八木聖人はW杯直前のトレーニングキャンプにも八木は継続して呼ばれ続けている。しかし、2019年の3月にドリブラーとしては致命的な、右膝外側半月板を損傷。手術とリハビリを経て半年後に復帰したものの元のパフォーマンスは発揮できずにいた。

それでも昨季から名古屋オーシャンズの主力として完全復活し、今では日本代表にもコンスタントに呼ばれるようになった。その一方で名古屋オーシャンズサテライト時代から共にしのぎを削ってきた齋藤功一、橋本優也が若いうちに現役を引退。2人への想いも抱きながら戦う八木に、28日の午前練習後オンラインインタビューが行われた。

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自分のキャリアを考えても今回のW杯が重要

──ここまでトレーニングキャンプを振り返っていかがですか?

そうですね。今シーズンはチームでもある程度は出場時間を長くプレーできているので、体のコンディションも良くて、その感じで合宿に入れていると思います。

──これまで、代表メンバーの中軸と言える立ち位置ではなかったと思いますが、このメンバーに残ってきました。自身初のW杯を目前に控えている今の心境は?

常に代表は意識していますが、普段の生活から僕自身としては目の前の環境に全力を尽くす、目の前を意識しながらやるということだけを考えて取り組んできました。

──普段から代表メンバーが多い名古屋でやっていることも、自分の水準を高く保つ上で刺激になっていたのでは?

名古屋に代表選手が多いこともそうですが、そもそも名古屋で試合に出ていたら代表が近づくと常に思ってきました。ですからチームではここで試合に出場し続けることを意識してきました。

──改めて、W杯では日本にどんなところで貢献したいですか?

攻撃では、アシストやゴール。それに、代表で特に意識しているのはデイフェンスのスイッチを入れるところ。前からプレスを入れるポジションに入ることが多いので、僕からプレスに行くことを意識しています。

──以前の合宿の際にも、齋藤功一さんや橋本優也さんなど、先に引退していった彼らに対して「あいつらがすごかったと言えるのは自分しか言えない」と話していました。改めて今、彼らへの想いは?

僕やマサがW杯に行けたら、頑張って引退せずにやっていたら「おまえたちも(この場所に)いたかもしれないよ」と見せたいなと。僕は、2人が引退したことに納得していない人間なので、もしかしたらいたかもしれない(と思っています)。なので、最後のメンバーに入りたい。そういう気持ちも背負ってやっているつもりです。

──八木選手は若手だと思っていたら、もう27歳。この年齢で初めてのW杯を迎えます。

当初、(2020年のW杯は)愛知県が招致活動していたので、そこに出るために頑張ってきました。開催地はリトアニアになりましたが、その気持ちは変わりません。通常通り開催されていたら26歳でした。その年齢は、多少の経験を積んで、体もまだまだ動くタイミングなので、本当に出たいなと。次の3年後も30歳ですし、今回もし出ることができたら、そのW杯でも、今とは違う感情になるかもしれません。もし今回選ばれなかったら次が1回目ですが、今回選ばれたら2回目なので、自分のキャリアを考えても今回が重要。残れるように頑張りたいです。

──2019年には大きなケガもありました。あの当時は調子がいい時期だったと思いますが、そこから落とさずに、ここまで上げてきました。ケガを経験してからここまでをどのように総括していますか?

ケガをする前は自分のパフォーマンスにすごく波があり、いいときはいいけど、悪いときは全然ダメという感じでした。ケガをしてからリハビリ期間も長く、いろいろと考えることもありました。やれることがなく、電気を流したり足を曲げ伸ばしするだけの毎日でしたので、そこで目の前のできることを全力でやろうという気持ちがすごく芽生えました。そのマインドでずっとやってきて、ある程度は調子の波が減って、常にパフォーマンスを出せるようになってきました。メンタル的には、ケガをしたことですごく成長した部分はあると思います。

──プレスにいくポジションに入ることがある、と。スタートはアラですが、ピヴォを追い越すイメージ?

前から守備に行くときは、特に早い選手が前に出ることが多いので、そこはポジションどうこうよりも、ピヴォ+早い選手が前から行くということでそこに入るイメージです。

──リハビリ後も、齋藤功一さんが働くはなみずきアスリートラボ鍼灸接骨院で予防トレーにングなどもしていて、役立っていることや、ここが強くなったところなどはある?

そうですね。最初はリハビリをしていて、その後、(2019年8月の)AFCクラブ選手権くらいに戻ってきて、そこからは功一のいるラボでリハビリをしました。彼に見てもらっているわけではないですが、加藤さんというトレーナーに、体の使い方をすごく見てもらっています。筋力トレーニングというより、体の使い方や走り方です。ケガでバランスが崩れ、今でも(ケガをした)右足は、曲げることはできても、そんなに伸びきらない。そこが固いので、その辺を見てもらったり、ケガをしないような体の使い方を重点的に見てもらっています。

──海外遠征の強化試合ではどんなテーマで臨みますか?

強度が全然違いますし、以前スペイン遠征をしたときに、その強度に戸惑い、プレースピードについて行くので精いっぱいだったので、その相手にしっかりと慣れること。もし16人に選ばれたとしても、そこからも試合に出る・出ないのアピールが続くと思うので、個人的にも自分の特徴を出して、結果にこだわってやっていきたいと思います。

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