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リバプール加入後、最重要の正念場に突入! いまだ出番が乏しい南野拓実の活躍を英メディアが分析「クロップは注目している」

注目のダービーマッチで、南野がピッチに立ったのは終了間際の88分になってから。ボールタッチ数わずか2回と見せ場を作れなかった。(C)Getty Images
現地時間12月1日、プレミアリーグ第14節が行なわれ、リバプールは4-1でエバートンを撃破。注目の「マージーサイド・ダービー」を制し、リーグ3連勝を飾るとともに3位に浮上した。

立ち上がりからホームチームのゴールを襲ったレッズ(リバプールの愛称)は、9分にアンディ・ロバートソンの折り返しをジョーダン・ヘンダーソンが狙いすましたシュートでゴール左隅に突き刺して先制。19分にはモハメド・サラーがカウンターから敵陣をぶっちぎって加点、さらに64分にも彼が相手DFのミスを見逃さずにボールを奪ってダブルを決めると、79分にはディオゴ・ジョッタが見事なマークの剥がしと左足での強烈なシュートでダメを押した。

相手の反撃を1点に抑えて完勝を飾ったリバプールが3戦連続となる4ゴールでグディソンパークを沈黙させたこの一戦で、南野拓実がピッチに立ったのは終了間際の88分になってから。前節のサウサンプトン戦(9分間)に続いてのわずかなプレー時間では、ボールタッチ数わずか2回と見せ場を作ることは難しく、ほとんどの現地メディアが採点なし、そして彼のプレーに言及もしなかった。
しかし、その中で、英スポーツ専門ラジオ局『talkSPORT』は「グディソンパークでの試合がアディショナルタイムに入ろうという最後の数分間で、ミナミノには遅い出番が与えられた」とだけ伝え、リバプールの専門メディア『THIS IS ANFIELD』は「もう少し時間が与えられても良かっただろう」と記述した。

そして、リバプールの地元紙『Liverpool Echo』は、83分から出場したアレックス・チェンバレンの寸評と同様に「こんばんは」(挨拶程度の顔見せで特筆すべき点はなしという意味か)と冗談まじりに記した。

英国公共放送『BBC』の視聴者投票による採点では「6.96」で、ロバートソンを上回ってのチーム13番目の評価となった南野。10月27日に行なわれたカラバオ・カップのプレストン・ノースエンド戦以降の全公式戦8試合全てでプレーするなど、序盤に比べれば出場機会は増えているものの、時間にすれば8試合で230分間(1試合平均29分弱)のプレーに止まっている。 しかし、12月に入ってからリバプールは過密日程が続く。

4日にウォルバーハンプトン戦を皮切りに、7日にミラン戦(チャンピオンズ・リーグ最終節)、11日にアストン・ビラ戦、16日にニューカッスル戦、19日にトッテナム戦、22日にレスター戦(カラバオ杯準々決勝)、26日にリーズ戦、28日にレスター戦と、毎週2試合というハードスケジュールを控えており、その中では当然ながら選手の入れ替えが頻繁に行なわれるはずである。

リバプールの専門メディア『Rousing The Kop』は先週、「ミナミノが重要な2か月間に直面する」と題した記事の中で、他の多くの現地メディアと同じく「今月、ミナミノはリバプールでこれまで以上に多くのプレー時間を獲得するだろう」と予想した。

「彼が今後も長くクラブに止まり、前進するためにより重要な役割を果たしたいのであれば、日本のスター選手はゴールとアシストで貢献する必要がある」

また来年1月になると、アフリカネーションズ・カップ出場のためにモハメド・サラーとサディオ・マネ、ナビ・ケイタは最長1か月以上リバプールを離脱すると考えられる。ユルゲン・クロップ監督ら首脳陣は2日のチェルシー戦までは彼らをチームに留めようと画策してようだが、同メディアは「レッズの全得点の半分以上を決めている2人の離脱によってチームの攻撃の脅威が半減する危機のなか、クロップ監督はミナミノらに注目している」と、ここでも日本人選手の存在を強調した。 昨季も同じような状況でチームが怪我人もあって疲弊する中でも南野はベンチを温め続け、結果、出場機会を求めてサウサンプトンへのレンタル移籍という決断に至った。だが、今季は多くの現地メディアが南野やディボック・オリギをキーマンとして捉えている。

先週はチームOBであるエミール・ヘスキーが、彼ら「バックアップ組」が冬だけの代役ではなく、来夏に移籍の噂もあるサラー、マネの穴を埋める存在としても有用であると、スウェーデンの日刊紙『Expressen』に語っている。

南野自身も1月末から2月初旬にかけて日本代表としてカタール・ワールドカップ・アジア最終予選の重要な戦いを控えており、いわば二足のわらじを履く身ではあるが、そんな厳しい環境の中で、2020年1月のリバプール加入以来、最も重要な正念場に突入したと言えるかもしれない。

構成●THE DIGEST編集部

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