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【ブラジル戦前日WEB取材】負ければそこで W杯は終了。強豪国との一戦を前に、かつて下剋上を起こした指揮官の思惑

UPDATE 2021/09/21

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グループリーグ突破を果たしたフットサル日本代表は23日、ラウンド16で強豪・ブラジルと戦う。フットボール王国との試合前日にブルーノ・ガルシア監督がオンライン取材に応じた。

負ければそこでW杯が終了するという大きな重圧がかかる中、日本は世界の主役になるべく優勝候補との一戦を、どう戦っていくのか。

かつてベトナム代表を率いていた時代、2016年のAFCフットサル選手権で優勝候補の日本を倒しW杯出場に導いたブルーノ監督に、ジャイアントキリングの秘訣を聞いた。

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ブラジル代表は、“代表の中の代表”。だが弱点もある

ミナサン、コンニチワ。まずは、第一目標としていたグループステージの突破を果たすことができた達成感が大きいです。そして、当初からカレンダーや組み合わせのルールやを鑑みていたので、可能性としては分かっていましたけど、ブラジルという強豪国と対戦できる機会できました。これは素晴らしいことですし、燃えています。また新しい挑戦になりますけど、そこへ向けてしっかりと準備したいと思っています。

──ブラジルとの試合を明日に控えて、ワクワクしているのか。ドキドキしているのか。今の感情はいかがですか?

ワクワク感の方が強く、非常に楽しみです。こういう場に立って、強い相手と試合をするときにナーバスになることは、こういう大会では不要ですし意味のないこと。自分のタイプは、ビッグゲームを楽しむタイプだと自認してきています。実際、これまでW杯のラウンド16で、音楽とフットボールで世界中を虜にする魅力を持った国と戦うには、そこまで辿り着かないとできないので、そこに対しての満足感もありますし、そういう大舞台でブラジルと戦える、楽しみな感覚しか今はないです。

──通常、試合の翌日はリカバリーがメインで激しいトレーニングをしないと思いますが、パラグアイ戦の翌日だった昨日は実戦形式のかなり負荷をかけたトレーニングをしていました。これはブラジル戦を見据えてのものだったのでしょうか。

取り組みの違いというはあります。リカバリーをして、準備をして、一戦を迎えるという大きな流れは変わらないですが、ノックアウトステージとグループステージということで、背景が違うことが大きな要因です。ノックアウトステージは、次の試合のことしか考える必要がない。次の試合にいかに良い状態で臨めるか。それができなければ、大会は終わってしまい家に帰るだけになるので、毎試合がファイナルになっていく。そういうゲームを迎えるにあたり、回復、準備、そして戦いに向かうフェーズがありますけども、グループステージの場合は3試合を戦うことが確実に決まっている。その3試合を戦い切ることを念頭に置いた準備をしなければいけない。そこを今度は、ファイナルということで次のことを考える必要べきでもない状況です。そういった違いが試合翌日の変化に現れています。

──すでにスカウティングをされていると思いますが、ブラジル代表というチームに対する印象と、日本としてはどう戦っていこうと考えていますか?

ブラジルは元々よく知られているチームでもありますし、われわれとしては当然スカウティングを進めていまして、最小のでティールまで詰めて分析をしている段階です。ブラジル代表は、“代表の中の代表”です。世界で最もタイトルを獲得してきた代表チームですし、構成メンバーも世界有数のトップクラブでプレーしている選手たちばかり。チームとしてもそうですし、選手もトップのチームだと思っています。

なので強みをたくさん持っていて、非常にパワーのあるチームということは間違いないですけども、弱点も当然あります。われわれとしては、それに対してまずやらなければいけないことは、自分たちのプレー、自分たちが作ってきたフットサルの形を最高レベルで遂行することです。それをやったことからリンクして、弱点であるブラジルの綻びを引き出すことができる。それがあって初めて勝機が見えてくると思います。われわれとしては最高潮の日を迎えて、をぶつける。絶好調のブラジルを止めることは難しいですけども、少しでも緩みがあったときに、そこにつけいってこじ開けることができる。そういう取り組みをする必要があると思います。

──ブラジルの戦い方は特殊で、3セットを8分、6分、6分でローテーションしてきます。それに対する対策とメリットとデメリットは?

相手がどのようにやってくるかということ自体は、もちろんわかっています。グループリーグからフェラオがいるセットは7分以上長く出ることが頻繁に起きていましたし、他のセットは短く交代している状況も見て取れていました。それに対しては、軸になる、脅威になるピヴォであることは間違いない。例えばスペイン戦で見せることができたような、支配的なピヴォに対する守備のアクションですとか、そういうのをうまく対抗して当てていくことが必要です。ですが、相手が均一な出場時間でやってるくるわけではないということを理解しながら取り組むことが必要です。ただそれよりも、先ほどもお話ししたように自分たちがどういうプレーをできるかを優先することがこのゲームでは大事。自分たちが集中力を維持した強度の高いゲーム、プレー展開というのをやり続けられるような戦い方を優先したいです。

──ブルーノ監督は2016年のW杯予選でベトナム代表を率いていたときに、当時AFCフットサル選手権で優勝候補だった日本を倒してW杯出場に導いています。強い相手と戦う時にこそブルーノ監督の真価が発揮されるのではと感じていますが、自信はいかがでしょう。

まさに今、言われた通りの感触を自分は持っています。自分としては、優勝候補になるようなビッグチームを転覆させることはトライしていて、やれた実績を持っていて、やれるという感覚も持っています。その状況と似ている今回も、その感触をチーム全体に伝えたい。スポーツというのは、戦術や技術、フィジカルだけじゃなくて、エモーショナルな部分も全部含めて戦います。個人のタレントだけで勝ち負けは決まらない。そういう面で言うとわれわれには「歴史を変えよう」と、新しいページに金色の文字で自分たちの姿を書き記そうというチャレンジ精神と、相手にも責任を伴った試合が W杯では続きます。そこの部分を考慮しながら、2016年に起こしたようなシチュエーションを狙っていきたいです。

──ジャイアントキリングを起こすチームに必要なことは?

ゲームプランとしては、われわれがブラジルとの噛み合わせの中で活用していくプレーモデルの中のシステムというのを、精度高く、最高レベルで体現していく。これが必須の要件ということは先ほどお話しした通りです。もう一つは、ボールを保持する時間をなるべく長くする。相手はボールを持っていない時間に、そこまで強みを持っていないことがありますので、そこの時間をどれだけ長くできるか。あとはセットプレーですね。

そこで脅威をいかに作れるかというのが、戦術的な部分でのゲームプランのポイントになってくると思います。ただ、それだけじゃなく心理面も要因してきます。心理面としては、終盤までスコアが動いたり、動かなかったりすると思います。その中で引き分け及び、あるいは1点差で競っているような状態でゲームの終盤まで引きずり込めれば、心理面の戦いで私たちは優位性を持てるのではないかと思っています。そこまでのゲームを展開していくことが、心理面での重要なポイントになります。

──ブラジルは前回対戦でベスト16で負けているためこの試合に懸けていると思います。拮抗したスコアで試合が進んだ場合、日本にとって心理面でプレッシャーになる可能性も感じますが。

先ほど伝えたかったことは、まさにそこですね。ゲームというのは、“感情の線”の中で、戦いながらも進んでいく。戦術面だけでなく感情面でも戦っていくわけであります。ブラジルにとっては、前回大会でベスト16で敗退した記憶が、心理的な隙になるんじゃないかと思います。そういう背景もあって、ブラジル代表としてはそんなエピソードを拭いたいと思っているはず。心の空白を埋めて、パワーに影響が出ないようにしたいのではと思います。

ブラジルとしては、勝たなければいけない「義務」がある中で試合に臨むと思います。それに対して私たちは、「勝ちたい」という「希望」と「欲求」を持っている。相手の義務と心理的な穴がある部分に、突け入っていける可能性があるので、終盤の時間帯にもつれこんでわからないゲームにすることだと思っています。そこが、先ほどお話しした補足のポイントと重なります。

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