平昌五輪で判明した、冬季スポーツの人気の低さ

今年、韓国・平昌(ピョンチャン)で開催された冬季オリンピック・パラリンピック。17日間に渡って開催された平昌五輪で日本選手団は過去最多となる13個のメダルを獲得した。その後、10日間に渡って開催された平昌パラリンピックにおいても前回のソチ大会を超える10個のメダルを獲得し大きく盛り上がった。

そんな感動と興奮を与えてくれた今大会にどれだけの人が興味関心を持っていたのか。世界最大のスポーツマーケティング調査会社・ニールセンスポーツが調査したデータを元に検証していく。

冬のスポーツは興味関心が少ない⁈

2018平昌五輪の興味関心度
2018平昌パラリンピックの興味関心度

N数=全体2,457人

この円グラフは平昌オリンピック、パラリンピックに対してどれだけ興味関心を持っているかを表している。これを見ると圧倒的にオリンピックの方に興味関心が集中しているのがわかる。パラスポーツに対する興味をもつ日本人は少なく、パラリンピックが抱える課題はまだまだ多いことを示している。

参考記事:パラスポーツ観戦率はわずか1%。2020年へ認知度向上が課題

https://azrena.com/post/9295/

また、今回の平昌五輪に興味関心を示した層も半分に満たない45パーセントにとどまった。大会後には複数の競技で一過性の“ブーム”が起こったが、それはすなわち今大会が始まるまで全く見向きもされていなかったということではないだろうか。冬のスポーツ全般で多くの人に競技の面白さを伝え、興味を抱かすための取り組みを早急に行っていく必要がある。

2018平昌五輪・パラリンピックの地域別の興味関心度

2018平昌五輪・パラリンピックの地域別の観戦意向

北海道 N=112 東北地方 N=141 関東地方 N=982 中部地方 N=375 近畿地方 N=470 中国地方 N=118 四国地方 N=57 九州地方 N=222
※上は興味関心度、下は観戦意向を地域別に表したもの

続いて興味関心度ならびに観戦意向を地域別に見てみよう。

中国、四国地方は全体を通して見ると数値が低く、興味関心度に関しては30パーセント台にとどまっている。今大会に出場した日本人選手の中でこの2つの地域の出身者は少なく、わずか3選手だった。そうしたことから自ずと大会への興味関心というのが薄れているのではないだろうか。四国に関しては現地で観たいと思う人が0と、冬のスポーツへの関心が低いことがわかる。冬のメダリストを多く輩出している北海道、東北、中部地方が高くなっているのを見ると納得がいくはずだ。

今回の調査を通して、冬のスポーツは競技としての面白さや魅力があまり伝わっていない可能性が高いことが読み取れた。そうしたことが今回の平昌五輪・パラリンピックの興味関心度に大きく影響していることは間違いない。今回の大会で巻き起こった“ブーム”を機に冬のスポーツに注目が集まり、次の北京五輪・パラリンピックでは多くの国民が注目するような大会になっていることを願いたい。

☆お問い合わせ先

ニールセンスポーツ担当:荒木
E-mail:[https://nielsensports.com/jp/]()

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