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【劇場で卓球を】プロ卓球チーム・T.T彩たまの挑戦「卓球観戦の付加価値を高めたい」

卓球ニュース 【劇場で卓球を】プロ卓球チーム・T.T彩たまの挑戦「卓球観戦の付加価値を高めたい」

2021.08.18 取材・文:槌谷昭人(ラリーズ編集長)
18日、卓球TリーグのT.T彩たまは、埼玉県和光市を表敬訪問し、2021-2022シーズンのホームマッチ(5試合)を和光市民文化センターサンアゼリアで行うことを発表した。
Tリーグでの試合を劇場で開催するのは、日本初となる。しかもホームマッチ全9試合中5試合を、である。

てっきり固定座席のない小ホールで開催するのかと思いきや、キャパ約1,300席、プロセニアム型のステージと固定座席を持つ、サンアゼリア大ホールで開催するという。
もちろん、その時々のコロナ観戦状況に応じて観客数や会場演出は変わらざるを得ないが、T.T彩たまのその思い切ったチャレンジを取材した。

和光市表敬訪問の様子
写真:和光市表敬訪問の様子/撮影:ラリーズ編集部このページの目次

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劇場開催を企画した理由

T.T彩たまの代表取締役・柏原哲郎氏はその狙いについて、こう語った。
「卓球の試合を生で観たことのある人の数はまだ少ないんです。今まで観に来たことがない人たちに来てもらって、演劇を観たとき、コンサートを聞いたときと、生で卓球の試合を観たときがどう違うか、お客さん自身に語ってもらいたいんです」
今回、柏原氏自身も、意識的に卓球観戦経験のない人たちにチケットを買ってもらうべく周囲に働きかけているという。

「新しい卓球の楽しみ方を創造することで、卓球観戦の付加価値を高めたい」

柏原哲郎氏(T.T彩たま代表取締役)
写真:柏原哲郎氏(T.T彩たま代表取締役)/撮影:ラリーズ編集部観客席からステージ上のプレーを見やすくするために、映像との複合で試合を見せていく方法を検討しているという。

神巧也(T.T彩たま)
写真:T.T彩たまファンの熱を語るキャプテンの神巧也選手/撮影:ラリーズ編集部

劇場であることのメリット

劇場やホールは、音、光に対して繊細な空間設計がなされている。
特に、和光市のサンアゼリア大ホールの音響に関しては、開館以来、多くの実演家からも高い評価を得る、日本有数の公共ホール施設だという。
一台進行の卓球台で、トップレベルの選手たちの運動力学が織りなす、光と音の広がりにも期待したい。

そこにT.T彩たまの誇る、ファンたちの“爆援”が加わるとさらに臨場感あふれる空間になるだろうが、感染状況を鑑みると、発声応援は今季も難しいかもしれない。

神巧也(T.T彩たま)
写真:昨シーズンの神巧也T.T彩たま)/撮影:ラリーズ編集部また、体育館やアリーナの椅子がつらいと感じるお客さんにとっても、今回、劇場大ホールの固定座席に身を沈めて卓球を楽しめる機会としても、貴重な体験になるだろう。

主催する側にとっても、ゼロから会場設営を行う体育館より、座席はもちろん、照明・音響設備の整う劇場で開催するほうが設営面でのコストは低くなる可能性もあるのだ。

和光市民文化センター サンアゼリアホール
写真:和光市民文化センター サンアゼリアホールの外観/撮影:ラリーズ編集部しかし、こうした会場を押さえるには、少なくとも一年以上前から企画、交渉を始める必要がある。今回の和光市での挑戦を皮切りに、既に来季以降の会場構想も進めていると柏原氏は力を込める。
「卓球の可能性はこれから。その付加価値を3倍、5倍、10倍くらいにしたい」

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