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【日本代表/WEB取材】異国の地・スペインでの3年間でつかんだ手応え。日本の若きエース・清水和也が語るW杯への想い

リトアニアで行われるFIFAフットサルワールドカップ(W杯)に向けて、日本代表は6月28日から30日にかけて千葉で国内合宿を行っている。スペインのコルドバ・パトリモニオで主力として活躍する清水和也にとっては、およそ1年ぶりとなる代表活動だ。

長期間、代表チームから離れていたことで多少なりとも難しさを感じていたという。しかし言葉も通じない異国の地で3年間揉まれてきたことで「自分自身で成長を感じられた」と手応えは十分だ。

日本の若きエースがスペインで手にした自信、そしてW杯への熱い思いを語った。

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スペインでのプレーを経て「成長を感じられたことが収穫」

──久しぶりの代表活動だが、プレーしてみた感触は?

約1年ぶりの代表活動で、個人的には日本での活動は見ていましたが、コネクションやチームの雰囲気など、1年間空いてしまうと追いつくのは難しいかなと思っていました。ただ、自分が積み上げてきたものを代表の活動で出せているので、初日よりはリラックスして練習ができています。感触としては、1年間空きましたが、しっかりと対応できていると感じています。

──本来のピヴォではなくアラでプレーすることも多かったが、日本代表とチームでは求められている部分は違う?

基本的に、チームと代表活動はまったく別物だと考えています。そのなかで、与えられた役割を全うすることが自分の仕事です。代表では前で起点を作ったり、ゴールの部分が求められると思うので、そこにフォーカスしていくだけだと思います。

──代表チームで求められる得点についてはどう考えているか?

1年を通して決定力でいうと、リーグでは5点しか取れなかったです。自分が目標としていた数字は残せなかったですが、個人としてもいろんなことを考えながら戦えたことは、この先にプラスになると思っています。できなかったことができるようになって、自分自身で成長を感じられたことが収穫です。代表でも前の選手として、点を取ることは変わりません。そこは自分の仕事として、しっかりと全うしたいと思います。

──対戦国はアンゴラ、パラグアイ、スペイン。特にスペインとの試合は楽しみなのでは?

W杯という舞台ですし、どのグループに入っても簡単な試合は1つもないです。個人的に、スペインとできるのは嬉しいですし、知っている選手がいるので、情報の部分で優位性はあります。ただ、ピッチに立てばガラッと変わったり、国と国が戦う舞台なので、楽観視をしている部分をピッチに持って行ってはいけないと思っています。事前準備は大切ですが、ピッチで100%の力を出せるように今から調整することが必要だと思います。

──残りの代表活動はW杯の勝敗に直結する大事な期間。今回の合宿で確認したいところは?

集大成として積み重ねてきたものをピッチ上で100%発揮することが大切です。W杯の初戦までに完成度を100%に近づける作業が必要だと思っています。各々も課題を抱えていると思うので、そこを改善しながらやっていく必要があります。個人的にはスペインでのリーグを終えてこの合宿に来ていて、まだフィジカルベースの部分でFリーグを戦っている選手より体が出来上がっていない状態なので、1日でも早くトップに持っていけるように調整したいと思います。

──今後のスケジュールは?

メンバー選考に左右される部分もありますが、基本的にリーグはW杯後に開幕します。僕のチームは8月の2週目から始動しますが、メンバー選考によって左右されるかなと思います。

──海外でプレーすることで精神面に変化は?

フットサル以外の成長を感じることはなかなかないですが、以前に比べると少しは大人になれたとかなと思います。海外で3年目を終えて帰国しているので、一人の人間として言語がわからない国で生活する大変さ、外国人として活躍しなければいけない立場を経験したことで、自信や日本人としての覚悟が芽生えました。その気持ちがあればどこに行ってもプレーできるなと。日本人として、自分のキャリアを作る上でも自信や覚悟をもってプレーすることが重要だと思います。

──代表チームは世代交代が進み同じ年代の選手が増えてきたが、彼らのことをどう見ているか?

個人的にも若い選手が出てくるのはプラスですし、自分も頑張らなければいけないなという刺激になっています。ただ同じW杯に行くためには、最終選考メンバーに残って、今いるメンバーを蹴落としてでも出たいというアピールが必要だと思っています。そこは自分との戦いにもなるのかなと。ただ、フットサル界としても若手が出ることはプラスになってくると思うので、活動期間に若手選手の勢いや良いものを吸収して頑張りたいと思います。

──海外で苦労したことは?

語学の面で、コミュニケーションが取れない時期もありました。また、自分がこういう存在だと認めてもらうまでが苦しかったです。自分はこういう選手だとアピールすることによって、周りの評価を勝ち取るところまでいけば全然難しくないなと感じました。そういう教訓を早い段階で知れたことで、その後の期間を有意義に過ごせました。やはりこれからも自己主張をしっかりとして、周りにアピールして勝ち取りたいと思います。

──スペイン語はもうバッチリですか?

そう言われるとまだ自信はないですね(笑)。でもある程度の受け答えができるので、多少なりできるかなというところです。

──W杯が近づいているが気持ちの変化などはあるか?

世界状況を見て、コロナによって延期されて準備期間が伸びました。ただ、このW杯のために色々考えて行動してきた4年間でした。近づくにつれて、早く試合をしたいというのが一番です。そのためにも、1日1日が無駄にできないですし、限られた代表期間で少しでも積み上げないといけません。常に100%自分のベストを出していかないといけないと思って今回の合宿にも参加しています。本当に楽しみな気持ちと、早く試合がしたいという気持ちです。

──1年の延期がプラスに働いた?

昨シーズンはスペインの中でも2部リーグから1部リーグに移籍して、その後にパンデミックでスペインリーグは中止になりました。なかなか思うように過ごせないシーズンでしたが、1年延期したことで今シーズンを戦えたことがプラスに働くと思います。成長しないといけないと思う部分もあったので、そういう意味ではプラスに働いた部分もあると思います。

──自身のキャリアにおいて今回のW杯が持つ意味、重要度は?

4年単位で物事を考えるようにしています。このW杯で今の自分の実力がどれくらい世界に通じるか。そして日本のフットサル界のためにも、高い順位で大会を終えることが必要になってくると思います。そこで自分の名を売るのもそうですし、日本で応援してくれる皆さんに素晴らしい結果を持ち帰りたいと思っています。4年間かけてきた思いをW杯にぶつけていきたいと思っています。

──プレー面での成長は?

タイプとしてはボールを受けたら反転してシュートに持っていくことが、自分の持ち味でした。それだけではなく、相手の前に入ってボールを受けてポストプレーをするプレーが昨シーズンは多かったです。その割合が半々で、新しい一面を習得できたと思っています。状況によってはアラでプレーすることもありました。自分はシュートを持ち味にしているので、それが脅威となって少しでもゴールの確率が高まるのであれば、そういう選択肢を選ぶのもありかなと思っています。プレーの幅が広がったと思います。

──その成長を代表チームでどう出していきたいか?

優先順位はゴールです。自分の持ち味もそうですが、周りを生かすことも考えないといけません。最終的にはチームの結果が求められるので、そこに全身全霊をかけるつもりでやっていこうと思っています。

──同年代の内田隼太選手や伊藤圭汰選手、さらに下の世代である毛利元亮選手が選出されているが、どう感じているか?

内田や伊藤はU-20で一緒にやっていますし、元亮は新世代としてFリーグでも活躍しているということは事前にわかっています。そういう意味では若い選手の活躍は刺激になっています。ただ年齢を見ても僕は25歳になるので、もう若手ではなく中堅。もっと若手が出てくる必要があるなと思っています。今の代表にもいるベテラン選手にくってかかるという強い気持ちで取り組めば必ずチャンスはきます。僕らももっと必死に頑張っていくことが下の底上げにつながると思っているます。それは僕だけでなく、内田も伊藤も同じことを考えていると思います。そこを全面的に出せればいいなと思います。

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