スペシャルコンテンツ Masaya Fantasista Vol.2「俺がスポーツ大会でDJをやる理由」

応援するつもりでDJをやっている

——もともとスポーツシーンでDJをやりたいとか、スポーツに音楽を取り入れたいとか、そういう思いはあったんですか?

昔からショーアップやエンターテイメント性というところでバスケのNBAが大好きだったので、日本とのこの差はなんだろうという違和感はずっと持っていましたね。だから潜在的にそういう思いはあったと思います。

——masayaさんの中で音楽とスポーツが融合している原風景は?

やはりNBAですね。ハーフタイムショーやオールスターのパフォーマンスが昔から大好きでした。それよりもずっと後になってX GAMEなど、音楽とスポーツを強調した世界観が生まれてきましたけど、最初の記憶というとNBAだと思います。まだ子どもだったので純粋にあのエンターテイメントの世界に引き込まれました。その後、スケートボードのビデオでHIPHOPが技の動きとシンクロしているような世界観にも魅せられました。

——クライミングの世界にDJとしてかかわるようになったときは、どんなイメージでその場を作ろうと考えていました?

クライミングはあの緊張感が魅力だと思うので、それを音楽の効果によってより高めるイメージですね。あとは完登できなかったとしてもその中の1ムーブ、2ブームがすごく気持ちいいという部分もあるので、いろいろなテンションの音楽を放り込めるという特徴もあります。基本的には気持ちいいもので、選手の邪魔にならないようなイメージでやっていますね。たまに日本の選手でも「自分のときにかかっていた音楽なんですか?」と聞きに来てくれることもあって、そうやってリアクションしてくれる人の反応を信じて選曲するしかないと思っています。これからもストイックとシリアスさ、緊張感というのを助長するような雰囲気作りをコンセプトにやっていきたいと思っています。

——いろいろな現場でDJをやられてきたと思いますが、クライミングとDJの相性はどう思いますか?

普段の現場のDJは基本的には踊ってもらうというのが根本にあります。クライミングの現場はthe north face cupくらいのお祭りだと体揺らしながらクライミングを見ている人がいたりします。僕としてはそれが理想なんです。ただ、ジャパンカップとかになるとお客さんはみんな椅子に座って真剣に見ているんですよね。そうなるともうDJというより、音響さんという感じになってしまいます。現場でもそう捉えられているし、それはそれでいいと思っています。

——例えばサッカーの中にはチャントがあったり、スポーツと音楽は昔から密接なものだと思うんですけど、masayaさんにとってスポーツの中の音楽はどんなイメージですか?

チャントもそうだし、鼓舞するものだと思いますね。いつもチアアップDJと言ったりしますけど、本当に応援するつもりでやっているんです。でもどこまで伝えられるかはかなり難しいところですね。とくにクライミングだとある程度ミニマルな世界観の中なので、あまりゴチャゴチャした音楽はかけづらいですよね。基本的には「頑張れ!」と鼓舞して応援する気持ちでやっています。

Vol.1「スポーツと音楽の幸せな関係」
(ハイパーリンクURL)
https://ssn.supersports.com/ja-jp/articles/5fae5137c47caf5cd81dd142

Vol.3「スポーツを自由に楽しめる空間をつくる」
(ハイパーリンクURL)
https://ssn.supersports.com/ja-jp/articles/5fae545333b843697d50d712

■プロフィール

Masaya Fantasista
1977年生まれ。神奈川県横須賀市出身。幼少のころに始めたピアノで音楽に目覚め、両親の影響でジャズ、その後はヒップホップなど、あらゆる音楽に没頭する。2001年に音楽とスポーツの力を信じて疑わない女性に優しいハードコア集団「Jazzy Sport」を設立。アーティストのプロデュースや音楽イベントを開催する傍ら、スキーブランドVector Glideとのコラボツアーやクライミング日本選手権でのDJ活動等、 山岳スポーツシーンの振興にも力を注ぐ。

LATTEST SPORTS
JazzySportプロデュースのボルダリングジム” THE STONE SESSION TOKYO “、サイクルショップ、自家焙煎の本格派コーヒースタンド、遊び砂場など、大人から子どもまで楽しめるスポーツ複合施設が登場。音楽やアートの大規模カルチャーイベントも開催。

https://www.instagram.com/lattestsports

■クレジット

取材・構成:Smart Sports News 編集部

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